スタジオよりライブが本領のバンドに相応しい内容に仕上がっており、当時生まれたばかりのへビィーメタルの代名詞、或はそのものとしてシーンに登場して以来、現在もなお、その音楽性の高さで衝撃を与え続けているアルバム。1970年代前半のニューヨーク・ロックと呼ばれた極めて短い時代、ベルベットアンダーグラウンド、ジョブライアス、ニューヨクドールズ、テレビジョン、KISS、エアロスミス等がニューヨークという狭い地域にひしめき合う時代、チャンピオンとして君臨していたのがBlue Oyster Cultでした。その勇士を今も覚えておられる方もいるでしょう。この"On your feet or on your knees"は、彼等の数あるアルバムの中で間違いなくチャンピオンです。

この後も数枚ライブ・アルバムを発表していますが、最高傑作はコレでしょう！　他に類をみない荒っぽさ、いかがわしさ、フリーキーさ！！　メンバー全員、イッてるんじゃないかという凄まじさです。怪しい怪しい Subhumanに幕を開け、じわじわとくるHarvester of Eyes、その後の Hot Rails to Hellからフルスロットルという構成もイケます！！　涙が出るほど美しく、冷たく、おぞましいThen Came the Last Days of May！！　そして、ラストの定番、 Born to Be Wildまで。アメリカンとか、ブリティッシュとかの形容詞はいりません。これこそ、偉大なる『ロック・バンド』ブルー・オイスター・カルト！！　なのです！！！　しかも、安いぜっ！

ヘビーメタルという言葉の元祖たるBOCの面目躍如の１枚。
演奏は荒削りだし音質もほめられたもんじゃないけど、BOCってどんなバンド？と聞かれればやっぱりこのアルバムを聴いてもらうのが一番よいのぢゃないかと思う。
ジャケットも最高に素敵だし、Born To Be Wild前のパティ・スミスのアジテーションMCも素晴らしい。何より、NYのアンダーグラウンドな息遣いがプンプンする本作は、その後ReaperやGodzillaで一躍メジャーに踊り出る前のBOCの生の姿を余すところ無く捉えているという点で歴史的名盤といえる。