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The Door into Summer

価格: ¥978
カテゴリ: マスマーケット
ブランド: Del Rey
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上級者の方には是非 ★★★★★
SF史上の名作”夏への扉”の原著です。 たいしてSF好きでもない私が高校生の頃読んで非常に感銘を受けた名作でした。 しかしこの作品、原文で読むとなるとなかなか難しい部分も多いと私は思いました。 とくにエンジニアリングの説明部分や法律に関するくだりなどは、ルビ訳なしで読める方はほとんどいないのではないでしょうか?  ストーリー自体はわりとスムーズに読んでいけるとは思いますがー。

ところで、作者の揚げ足を取るわけでは決してありませんが、面白い点もいくつか気が付きました。主人公が経験する2001年の世界からすでに約10年後の世界に我々は住んでいます。 SF小説の巨匠と言えどもインターネットや携帯電話の普及という未来像は予想できなかったようです。 事実は小説より奇なりーと言えるのではないでしょうか? さらに2001年のコールドスリープ機関で、医者が室内でタバコをすっているーという描写も出てきます。 現時点で常識のことが、わずか50年後には非常識になってしまうーということがありありと分かる例だと思いました。 さすがのハインラインも、アメリカ人がこれほどたばこ嫌いになっていることなど想像も出来なかったことでしょう。 なにはともあれ名作です。 私は英検準一級以上の方に是非お薦めします。 
瑞々しい感性に溢れた作品 ★★★★★
ハインラインはSFの巨匠として多数の傑作を生み出しているが、青春時代に読んだ本書にはハインラインの瑞々しい感性が溢れており、特別な思い入れがある。今回、旅行のお供として久し振りに再読したが、どうせならと原作に挑戦してみた。英語は口語など一部理解できないところがあったが、基本的には平易な読みやすい文体なので、無事に読み終えることができた。

ストーリーの面白さはやはり抜群で、僕がもっとも好きなリッキーとのキャンプでの会話のシーンには改めてほろりとさせられたが、今回新たに気付いたのは猫のピートの存在感だ。以前読んだ時は主人公のダンがどうなるのかとストーリー展開に気を取られて一気に読んでしまったが、今回じっくり読み返してみると、猫の生態や行動様式や「猫にはユーモアがない」といった感情についてまで記述されており、ハインライン自身も間違いなく猫好きなのだろうと感心した。

また、今回印象的だったのは「未来は現在より間違いなくよくなる」というハインラインの人類の未来に対する明るい確信である。バブルが弾けた以降の日本では高齢化や保険制度の破綻、国の借金増加など将来への不安を掻き立てるような暗い話題ばかりが取り上げられているが、科学技術の進歩が人類に幸福をもたらすということを確信している本書を読むと、現在の自分達は暗い方向ばかりを見すぎているような気がしてくる。
読むと、とても元気をもらえる作品です。 ★★★★★
退役後、友人とベンチャーを立ち上げ成功するのですが、悪女にだまされ一文無しに。
何もかもなくして、コールドスリープで未来へ放り出されるのですが、めげない!
とにかく、前向きに、積極的に、果敢に、試練に立ち向かって最後は大逆転。
頭の禿げた30男が、かっこいい!
私のブログ「いそがし父さんの読み聞かせ・・・プラス!」でも紹介させてもらいました。
日本語のルビも適度で、翻訳本を見てなくても十分楽しめると思います。
もちろん英語の得意な方は、彼特有の粋な英語表現も楽しめます。
SFも時間物も大好きですが、ジャンルを越えた面白さがあります。
ピートの猫語 ★★★★★
ロバート・A・ハインラインの「夏への扉」、ずいぶん前に日本語で読んだのですが、ストーリーが面白かったことと、何よりも夏の扉を探す猫のピートが印象に残っていました。
今回、知らない単語などはそのままにして、英文で読んでもやはり面白かった。タイム・トラベルの辻褄合わせも楽しめますし、21世紀の現実との比較も面白い。
真冬のコネチカット州の古い農家で、何処かのドアが夏へ通じているはずだと思っている猫のピートは、ひとつひとつのドアをあけて、外には雪しかないことを確認するまで納得しない。ピートのしゃべる「猫語」とあわせて、我が家の飼い猫と重ねてしまうのは私だけでしょうか。「夏への扉」はタイム・トラベルのメタファでもあるわけです。
山下達郎の同名の曲は、この小説をベースにしているそうです。
タイムトラベルものの古典 ★★★★★
巨匠ロバート・A・ハインラインの傑作で、SFのタイムトラベルもの元祖みたいな作品です。コールドスリープ(冷凍睡眠)で1970年から2000年に行く内容ですが、その未来社会の2000年も既に過ぎ去ってしまったのですね。初めて読んだのは、中学の時なので少し感慨深いです。

ウェルズのタイムマシンに比べれば、文明とか大掛かりな視点はないけれども、70年代の発明家兼技術者の主人公の時間と年齢を超えた恋の成就は、爽やかな印象を残します。とにかく、読後感の良い作品です。ちなみにネコの名前である護民官ペトロニウスは古代ローマの実在の人物なんですね。