主人公はおおかみのソクラテス。おくさんクサンチッペにおなかがすいたとせっつかれ、ひるま野原で見かけたこぶたたちを捕まえることを考えます。
しかしそこで闇雲に行動に出ないのが哲学者ソクラテス。5軒の家のどこにこぶたがいるか、順序だてて考えていきます。数を扱うのが得意なかえるのピタゴラスも応援します。
あらゆるケースを想定して、絵にかいてゆき、5軒の家に3匹のこぶたが入る入り方が何通りあるのかという複雑な問題を解決しますが、そのころには夜が明けてしまい、もう考えるのも子ぶたを捕まえるのもやめやめです。
とぼけた味わいの文章に、挿絵も楽しいこんな物語にのせて、順列と組み合わせの考え方を経験できます。この絵本で考え方をまなんでいれば、公式もすんなりわかりそうだし、公式を忘れたからといってあわてることもないでしょう。

新教育過程では、確率・統計はかなり理不尽な扱いを受けているようです。「３びきのこぶた」は、それが、こんなにも美しく楽しい学問であることを再認識させてくれる本です。こんなに面白いこと、本当に削っちゃっていいのかな？？

世界最高レベルの数学者と世界最高レベルの絵本作家の共著という贅沢。学問的な信頼度が高いうえ、知的な隠し技もたっぷりです。それなのに、お話は分かりやすい！絵もすばらしく、ユーモアいっぱいのこぶたやおおかみやかえるがでてくるので、４歳くらいから十分に楽しむことができますよ。学年が進むにつれて、新しい発見がざくざくと出てきます。

保育園や幼稚園に通うような年齢の子どもと一緒に「数学」できる快感！こうなったら、発展学習は家庭でやりましょう！
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