教育評価の最新入門書
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教育評価が問題になるのはどんな時代なのだろうか。
やはり、教育とは何か、学力とは何かが問われている時代なのだろう。
教育や指導の状態や成果を評価することが、知識・理解のようにペーパーテストや提出物などで容易に客観的に評価できた時代は過ぎ去ってしまった。
今日的な、活用力や思考・判断力などの高度な能力を、教育の成果としてどう評価すればよいのか。
本書は、教育や学力の現状を踏まえ、相対評価から目標準拠評価へ、診断的・形成的・統括的評価、個人内評価を系統的に説明していて、分かりやすい。評価の立場や構造などもよく理解できる。評価理論のパフォーマンス評価やポートフォリオ評価などの新しい評価法についても概説されて、最新の評価理論を理解することができる。
日本の戦前の絶対評価や戦後の能力主義と相対評価、その限界と新しい評価の潮流なども興味深い。
教育評価の入門書として最適である。