これが意外に気持ちいいです。神経を逆なでするような音はほとんど無く、ただただ優しい音響が流れ続けます。ただ全体的にアナログ的な音響処理があったり、テープコラージュの音が重ねられたりもします。#7は一曲まるまるAMラジオから流れてくる音のような処理を施されています。#9はまるで深いプールの底で聴いているような音になっています。#11ではちょっとノイズを乗せてみたりもします。少々ジム・オルークっぽい感じもします。しかしそれらもあまり実験的な、刺々しい感じはしません。ただ優しい音の添え物としてあるだけのように感じます。これでも一応、ポストロック/音響派と呼べるかもしれませんが。あるいは音響派フォークソングとでも呼べるでしょうか?
電気楽器も極一部に使われていますが、主役はアコースティックな楽器です。アコースティックな音で癒されたい、気分が良くなりたいと言うときに聴くとちょうど良い一枚ではないでしょうか。