ゴマブックスさん、大丈夫?
★★★★☆
ゴマブックスさん、大丈夫だろうか?
いい加減なことを書いて、良書をダメにして・・・。
この本には、原著があります。そして、この本にはその名前が載っておりません。
そのタイトルは、
“George Washington's Rules of Civility & Decent Behaviour in company and Conversation"
です。
14歳のときに、ワシントン少年が、
フランス語の作法の本の要約を、英語に翻訳したものから引っ張ってきた。
その110条の洗練された作法の教えがこれ。
決して、14歳のワシントン少年が考えたものではございません。
英語タイトルを訳すなら、
「人前と会話における 誠実で礼儀正しいふるまいに関する 規律」
とでもなるのだろう。
翻訳を読んでみたが、かなり前時代の方の翻訳になるようで、
現代的な翻訳とは異なり、意訳が多い。
また原書で見られたウィットはかなり省かれて
訳者独自の表現に変えられてしまっているものも多い。
ちなみに、塩月弥栄子さんという方は、
お茶の家元の人らしいが、
ゴマブックスの編集部に持ちかけられた話で、
マナー集の監修に当たっただけのようです。
実際に原文にあたり、
日本の風俗と、当時の欧米の風俗を比べたかというと、
おそらく、そういうことはされていないようです。
この本の訳を読んでみると、
かなり重要なところは上手にごまかされ、
あるいはどうでもいいことを引き伸ばしているような、
翻訳者の胡散臭さはうかがえますが、
その人の名前すらありません。
といっても、この本しか、翻訳はないので、☆四つつけました。