自己表現の一つとして感慨深い
★★★★★
松井冬子の絵の画像を見たのは何年前だったろうか?
約2年前。。。?
その時は、絵本来の評価という以前に、何故こんな絵を描くのだろうと
思ってしまったことを今でも強烈に思い出す。
普通に見れば、怪奇・グロテクスと思ってしまうかもしれない。
しかし、彼女の絵には確固たる技法の上に、執念というか何らかの
波動を見る者に与えるものがある。
これが絵を描く者の力量ではないだろうか?
本人の美人度も、ある意味側面的な力量でもあるが。。。
また、何を持ってうまい、下手を言うのかを考えさせられる作品でもある。
インタビュアーの上野千鶴子は、彼女の作品を自傷画と呼んでいるが、
その答えは是非作品を見てから各人で考えて欲しい。
上野千鶴子が最後に「人間は不幸せになる為に生きているんじゃない」
「幸せになることもためらわないで」という言葉の後、松井冬子は
一瞬泣いていたような気がする。
何かホッとした気分になったのは、私だけだろうか。。。
松井冬子ファンだけではなく、一般の人が絵の奥深さを知るには、
非常に参考になる良い作品だと思います。
P.S.
彼女が小学3年生の時に、ピカソの絵を見るもキュビズムの絵が理解できず、
最後のページの具象画にえらく感動したというのは、年齢的にも当然であり
また今の彼女の原点なのかもしれない。
私は、今の絵にはある種、解剖学的キュビズムが包含されていると感じる。