7番でお勧めの1枚
★★★★☆
ブルックナーは演奏が難しいみたいで、沢山のCDが出ている割りには、決定版と言える
ものがあまりありません。特に菅への要求は厳しく、オルガンのような演奏を要求され
ます。そのため、指揮者の技量だけでなくオーケストラの技量が必要です。7番は美しさ
と荘厳さ、両方が求められますから、音質も重要です。
ハーグ・フィルという聞き慣れないオーケストラが気になりますが、そこはシューリヒト、
そのバトンテクニックでぐいぐいオケを引っ張っていきます。8番の最終楽章でウィーン
ファイルを限界速度で演奏させ、破綻しなかった技量は伊達ではありません。
いつもながら菅のバランスが他の演奏と違っていてます。これは、派手な演出を避けよう
という配慮かと思います。もしかしたら改訂版の影響なのかもしれません。名盤と言われる
他の演奏も聴いてみましたが、何度も聴き込むと、やはりシューリヒト版が一番だと思います。
古い録音なので最新録音に比べ劣るのと、これがウィーン・フィルだったらなぁ、ということで
星4つです。(ハーグも悪くは無いんですけどね。)
面食らいました
★★★★☆
上の商品説明のレビューにあるとおり、1楽章序盤はかなり面食らいました。
このオケも指揮者も初めて耳にしました。というのも、某サイトでの評価を参考にした結果でありますが。
私の聞くブル7としてはBPOカラヤン、ルツェルン音楽祭のアバドに続き3枚目なのですが、それらに比べると金管パートのソロ、ソリが少し精細を欠いているのが目立った印象。
音質については元が元ですから文句は言えないといった感じです。
また、前述のものよりも快活な演奏だと思われます。
懐かしの名盤
★★★★☆
1960〜70年代ですが「コンサートホール・ソサエティ」といったレコードの頒布会があり、ブルックナーのレコードが少なかった時代に手に入れて聴いたことを懐かしく思い出しました。古い盤を取り出しての感想でCD録音についてはコメントはできませんが、演奏はなかなかのものです。ハーグ・フィルといったあまり知名度のないオケで、今日、高度な演奏に聴き慣れたリスナーには物足りないかも知れませんが、シューリヒトとの相性は大変良く、もっともシューリヒトらしい飾り気ない、しかし軽妙な弦の響きや要所要所での管楽器の巧い使い方を聴くことができます。ウイーン・フィルとの名演がでる前にシューリヒトの名を日本で高らしめた歴史的な名盤です。
改訂版だと思います。
★★★☆☆
ここで使用されているスコアは、改訂版であるようです。例えば第一楽章の第一主題が再度提示される寸前、ホルンが一足先に鳴るのをはじめ、随所に聞き慣れない響き、旋律を奏でるパートが妙に脚光を浴びるなどの響きを聴くことになります。この演奏に明るい印象があるのは、指揮者の人柄というよりも版によるものが大きいのかもしれません。比較的良好な録音でこの曲の改訂版(昔はみんなこれでやってたんですねえ)を聴くことができる、という観点から購入されるのもよろしいかと思います。
ブルックナーの心の有り様を追体験できるアルバムです
★★★★★
ブルックナーの音楽は、大自然の美しさや厳しさを表わしたもの、ひいてはそれらの大自然を作り給うた神への畏敬を表わしたものとよくいわれます。この7番も、静かで厳かな第1、2楽章は神への祈り、劇的な盛り上がりを聞かせる第3、4楽章は神への歓喜といえるでしょうか。
シューリヒトは淡々とした指揮ぶりで、スコアに忠実に音楽を再現していきますが、その自然体こそが、ブルックナーがこの曲に込めた心の有り様を忠実に再現しているといえるのではないでしょうか。
ブルックナーがこの曲にこめた心を追体験できる演奏であり、ブルックナーファンには、是非、聞いて欲しいアルバムです。