なぜかこれと『コート〜』だけデジタル・リマスターなし
★★★☆☆
『ジョニ・ミッチェル』から『ミングス』までのジョニの初期の作品のうち、なぜか、これと『コート・アンド・スパーク』の日本盤にだけ「デジタル・リマスター」の表示が商品にありません。
しかし、『コート・アンド・スパーク』と違って、『ドン・ファン〜』の輸入盤には、デジタル・リマスター盤が存在します。ジャケットの裏を見比べても、デジタル・リマスター輸入盤とこの日本盤とでは、アートワークでのクレジットの表記もいろいろ違います。
ですから、輸入盤のデジタル・リマスター盤を買うか、日本盤を買うか、よく考えてみてください。
刃物の切っ先
★★★★★
2007年の新作「シャイン」から三十年遡る77年発表のアルバム。ジョニの歴史の中では「ジャズフュージョン路線」をもっとも推し進めた作品といえる。届いたばかりの「シャイン」に耳を傾けつつ、本作が無性に聴きたくなったのは何故だろう。
この頃のジョニの音楽は、鋭利な刃物の切っ先を思わせる緊張感と、ひんやりとした温度感に満ちていた。77年といえば、米国の文化がベトナムの後遺症からようやく抜け出しはじめた時期である。最初のスターウォーズはおなじ年に全米公開されたし、翌年にはお気楽なディスコムーヴメントが満開となる。
にもかかわらずジョニはジャケットの荒野にひとり佇み、前作「逃避行」の寂寥感をさらに増量したような音楽を創造してみせた。歴史に残るデュエットともいえるジャコとのM2とM3が今聴いても新鮮で、かつ耳に痛いのは、ジョニ・ミッチェルという表現者の魂が「楽な方向に流れることを拒否しつづけた」ためなのだろう。
アナログ盤では二枚組で、あの当時にすべてを通して聴くのはけっこう苦痛だった。もしも新作「シャイン」に欠けているものがあるとすれば、その苦痛かもしれない。
まるで1本の映画のような統一感
★★★★★
このアルバムは最初から最後まで全体が流れるように繋がり、インストの部分も多くみられ、
ドラマチックな曲から曲への展開はまるでサントラの様です。
ジョニ(とジャコ)の創った唯一無比な世界が広がるジャージーな大人の映画。(ジョニ本人も映画のように創ったと後に語っています。)
逃避行が完成度の高いトータルアルバムなら次作のこのアルバムは大人の遊び心満載のトータルアルバムといえるでしょう。
くつろいだひと時、ソファに座って目を閉じ、この映像のない音楽だけのドラマを是非ご堪能下さい。
最高傑作のひとつ
★★★★★
ジョニというとブルーというのが染み付いているのかやたらとブルーだけが持ち上げられてる気がするのですが
彼女がもっとも神がかっていた時期はフュージョンを取り入れたコートアンドスパークからこのドンファンの時期じゃないでしょうか?
あまりに独創的すぎて、刺激たっぷりの最高に面白い音楽がここにあります。
大傑作
★★★★★
いままでいろいろなジャンルのいろいろなアルバムを聴いてきたが、この作品が一番すごい作品だと思っている。
言葉では表現できない、味のある音。何回聴いても飽きることがない。ジャコパスの演奏がこれまた、とんでもなくすごい。
いままで国内盤は廃盤になっていたので、今回のデジタルリマスターでの復活は嬉しいかぎりである。