まさに1セグの教科書
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巻頭に総務省やNHKの代表者の挨拶があるように、1セグに関する標準教科書。通信と言うよりは、放送に関する1セグの全てが網羅されている。
まず、「1セグとは何か」という簡単なQ&Aがある。続いて、信号の基礎知識の解説があり、その後に本書の目玉とも言える、「映像圧縮技術H.264」と「オーディオ圧縮技術「AAC+SBR」」の詳細説明がある。H.264に関しては、従来のMPEG-2との比較から始まり、H.264の圧縮効果(MPEG-2の2倍程度)の実現方式が解説される。オーディオ圧縮技術に関しては、従来のAACに加え、SBR(Spectral Band Replication)という技術を付与し、信号の再生帯域の拡大と音声品質の向上を図っている様子が解説される。
また、1セグ放送の受信端末の仕組みとして、チューナー、TS(Transport Stream)パケットとそのデコーダ、データ放送ブラウザを中心とするデータ放送受信部の説明がなされる。この他、1セグ放送の運用規定、及び提供できるサービスやビジネス・モデルについても書かれた章もあり、まさに1セグの世界を網羅した内容になっている。私自身はソフトウェア開発者だが、ハード・ソフトを問わず、1セグ関係の開発に携わる方には必携の書。