若手棋士の将棋に掛ける純粋な生き様
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島朗氏は,将棋が趣味の人ならばご存知かと思いますが,昭和55年度にプロ入りした将棋棋士で「55年組」の一人です.将棋にコンピュータを活用して棋譜の管理や定跡の分析をするなど将棋に新風を吹き込み,初代竜王となりました.しかし,島氏といえば,羽生善治,佐藤康光,森内俊之と一緒に立ち上げた研究会「島研」の存在があまりに有名です.
本書では,そんな島氏が見守った若手棋士,森下卓・佐藤康光・森内俊之・羽生善治の将棋に掛ける純粋な生き様が描かれています(描写がリアル過ぎるくらいよく書けており小説かと錯覚する仕上がりです).一流の棋士が一流の棋士を描く異例の作品であり,一流の棋士だからこそ書ける描写が随所に見られます.将棋に興味がなくともオススメです.