「武士の娘」（ちくま文庫）を読んだら、すぐにこの本をよむことをお勧めします。この本を読んだことで、「武士の娘」の理解が一層深まったと思っています。また、「武士の娘」を読みながら、それからどうしたのだろう？　なぜ、こんなことをするのだろう？というような疑問が、この本を読むことによって、解かれていくのです。著者は、論文を書かれ、それを上梓されたようです。だから、前後がきちんとつながっていて、落ち着いて読むことができます。

『武士の娘』を読んで、とても感慨深く、立派な
書籍に出会えて感動した。『武士の娘』や杉本鉞子
に関する背景などを知りたくなって本書を購入した
のですが・・・。

内容は『武士の娘』そのままの引用が４０％、福沢
諭吉に関するものが３０％、その他もろもろ２０％で、
杉本鉞子に関する記述は５％というような印象を
私は受けた。

この書籍を読むことで、『武士の娘』の解釈に
奥深さが出るとか、感銘を深めるということは
残念ながら無かった。大学の授業で使うために、
教授が生徒に購買させるために著したような書籍
だと思います。

今まであまり知られていない杉本鉞子さんを明治に生きた
他の有名人たちと対比して説明している。
そのことから明治の時代性とその時の有名な人々の思想を
知るのにもとても有効である。

激動の明治維新期に越後の家老の家に生まれ、厳格な躾を受けて育った杉本鉞子は、文明開化の東京、アメリカで異文化と出会い、英文の自伝『武士の娘』を著し、日米文化交流の懸け橋の役割を果たした。武士の娘としてのモラルに照らして行動した鉞子の人間像を、『福翁自伝』の福沢諭吉と対比しながら浮かび上がらせる。