永遠のシシィ
★★★★★
シシィ本の決定打といっても過言ではない本書、一部、写真の中には、河出書房新社刊の『皇妃エリザベート その名はシシィ』との重複は見られるものの、エリザベートの生い立ちから、本人が身に着けた衣装、靴、ジュエリーや、愛用の家具調度に至るまで、彼女が住いとした宮殿や離宮の数々と共に足跡をたどった内容は、字のサイズも大きく読みやすく、何よりも、その豊富な写真が、読者の目を楽しませてくれます。天蓋のついた三輪車、愛用していたあとがうかがえるつま先の擦り切れた靴、日本製の扇など、ビジュアル的に興味深い写真はたくさんありました。また、カイザー・ヴィラ、ギリシャのアキレイオン荘、ハンガリーのゲデレ城、ヘルメス・ヴィラに、シェーンブルク宮殿、そして、シシィ博物館のあるウィーンのホーフブルクと、読者が、本書を参考にエリザベートに関連した場所を観光できるような配慮もあり、ガイドブックとしても良かったと思います。エリザベートの魅力が、再認識できる、そんな感じの素晴らしい本でした。