人それぞれに美しさがある。
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著者は皮膚科医で美容の専門家。ゆえに美容に対する具体的なアプローチも書かれており、こちらも目からウロコで一読の価値あり。
しかし、著者が本当に語りたかったことは「美しさとは何か」という本質的な問いに関する著者自身の考えではないだろうか。
我々は美人というと若い女優やタレントを思い描くが、時に100歳の老人も美しいと感じることがある。普段はなかなか気づくことができないが、本来このように老若男女それぞれに一様ではない「美」を持っているものである。
フランスに渡り様々な経験をした著者ならではの、多角的な視点で「美」を再発見できる素晴らしい本であった。
美容本というより事典というより、、、
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美の事典は「事典」ではない。美とは文化である。食の文化とは食材・食具・食制であるように、美の文化は「美の要素」「美の道具(=美容化粧)」」「美の価値基準」の変遷を解き明かすことであろう。そう思って読めば、この本には美の文化についての詳細な項目立てと箇条書きとしての説明はない。
ただし「美とはなにか」についての読者への問いかけがある。本書の経=たていとは「美の要素」「美の道具」「美の価値基準」であり、緯=よこいとは筆者の個人史模様によって彩られる。いわば本書は「事典」を読む前の心構えが説かれているのである。
次に来るものが通底されているからこそおもしろい。次こそ事典の「本番」であること当然であり、だからこそプレ本番の価値もあがるというものである。
美肌は生き方から、なのですね。
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たまたまSTORYという雑誌の12月号をみていて岩本先生が特集されていたので興味をもっていました。丁寧な説明なのできちんとした知識がよくわかります。岩本先生がこだわる美意識や生き方にも納得です。パリ在住とのことですが、100%パリ礼賛にかたよっているわけではないので素直に読むことができました。