今だからこそ高峰秀子
★★★★★
最近では「高峰秀子」と言うと「高峰三枝子?」と勘違いされるほど知る人が少なくなってきました。その理由は見事な引き際にあったのではないでしょうか。「二十四の瞳」の優しくて凛とした大石先生や「カルメン故郷に帰る」の純粋で憎めないおりん。「名も無く貧しく美しく」の健気に生きる秋子。どの高峰秀子にも感じ知ることのなかった才能豊かな随筆家(エッセイスト)としての側面を、変化の激しかった戦前戦後の日本映画界の歩みを豊かな表現と鋭い感性とユーモアで表現していく姿に感動を超えてただ感心するばかりです。日本経済新聞・私の履歴書の有馬稲子さんのお話をさらに100倍面白くしたものがここにあります。