日本で不当な扱いを受けてきたロンドン・ミュージカルの女王
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「エビータ」「キャッツ」の初演を務め、「メモリー」のオリジナル・ヴァージョン(81年全英チャート6位)を世に送り出したロンドン・ミュージカルの第一人者、エレイン・ペイジ。このアルバムは彼女のキャリアが集大成された2枚組のアンソロジーである。話題の「夢やぶれて」もライヴ・ヴァージョンで収録されている。
"時の人"スーザン・ボイルの憧れのアーティストとして知られるようになったが、この日本では、彼女のことはずっとまともに紹介されず、ミュージカル・ファン以外の間では無名の状態が続いていた。
その原因は、一にも二にも彼女の所属するレコード会社、ワーナーの日本法人ワーナーミュージック・ジャパン(旧ワーナー・パイオニア)のこのジャンルへの興味の無さ、怠慢にある。彼女のオリジナル・アルバムは80年代からWEAレーベルにて発売されていたが、ミュージカル・ナンバーのアルバム「Stages」を初め、アメリカでも系列のAtlanticから発売されていたのもかかわらず、この日本では全て未発売であったのである。「メモリー」のシングルはポリドールからの発売であったが、これは日本でも83年に発売されていたのである。
当時は今のようなネット通販はもとより輸入レコード店の数も少なかったので、彼女の音源を入手するのは、まさに至難の技であったのである。数少ない輸入レコード店に彼女の輸入CDを注文して入手するのに、数週間を要したのである。
北京でのライヴを収録したDVD「アンドリュー・ロイド・ウェバー/ザ・コンサート」(トランスフォーマーTMSS-035)にも、彼女エレイン・ペイジがヒロインとしてフィーチャーされている。彼女もプロモーション次第では、サラ・ブライトマンやエンヤのように、この日本でもメジャーになることが出来たかも知れなかったのである。