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情報社会学序説―ラストモダンの時代を生きる NTT出版ライブラリーレゾナント001

価格: ¥2,100
カテゴリ: 単行本
ブランド: NTT出版
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肯定論、楽観論的展開の情報社会学 ★★★☆☆
東京大学、グローコムを経て現在に至る著者による 情報化社会における社会学の考察

内容は、社会変化のS字波ということで普及曲線を解説しています。
そのS字波をもって諸文明から現在の情報化まで深度を増しながら変化していると説いています。
そのような、知識の変化に伴い、「智民」が出現し、知識の生産形式も変化していっていることを解説しています。
また、情報化社会は、公・私・共の境界に影響を及ぼし、原理・領域も変化していることを述べています。
最後に、情報社会の秩序としてどのようなことがかんがえられるのかが述べています。

少しだけ注意すべきは、この著者をインターネットで検索してみてプロファイルを確認すべきことと
博士号は「社会学」ではなく、「経済学」であることから、普及曲線から社会学を見ているのが
よくわかる気がします。

「智民」と言ったところから、情報化社会の良い側面を中心にしてインターネット詐欺などの
副作用については触れていないように思えます。
とはいえ、このような書籍でまとまっているのはあまりなく、かつ専門書のように
お値段が高くないので良いのかと思います。
これは面白い! ★★★★★
 時代の流れ(S字波)と連続性を『社会システム』というテーマでまとめた良書です。「国家の時代」→「企業の時代」→「智民の時代」へと進化する過程、現在は「智民の時代」への第一歩目であることが説得力を持って示されております。
 インターネットとケータイによる情報社会を前提とした自己組織システムと『共の原理』による創発によりどのような世界がやってるくるかは想像つきませんが、とてもワクワクします。
 『ウェブ進化論』を読んでさらに深く考えたい人におすすめの一冊です。
べき乗則、シグモイド、そして情報社会の在り処 ★★★★☆
本書はオタク文化やスマートモブズといった情報社会の変遷への興味を出発点として、シグモイド曲線に似た「S字波」をモチーフとした文明論、地域通貨への洞察、そして、べき乗則の世界へと展開されていく。実に私と関心が共通なことにびっくりした。参考図書のリストに、バラバシや、高安先生があがっていたのもうれしい。安富先生の「貨幣の複雑性」とも共通の問題意識を感じる。
最新社会理論のエッセンスと著者による考察、問題意識、問題提起、そして綜合的な視点がコ ★★★★★
最新社会理論のエッセンスと著者による考察、問題意識、問題提起、そして綜合的な視点がコンパクトにエッセンスとしてまとめられた一冊である。アカデミズム外の人間にも、最新ネットワーク理論であるとか、あるいは、歴史であるとか、碩学・実学の著者の綜合智を理解できるように平易に記されている。

非常に充実した注を飛ばして、ひとまず、通読しました。というところであるが、現在、もの凄い勢いで変化が進んでいる情報ネットワーキング環境と、その中で生きることの意味合いがよくわかる。本書において要約されている、今後のこの社会を読み解く斬新な切り口である「社会的ネットワークとベキ法則」は、めまぐるしく成果が上がり続けるであろうこの分野への、勤労者・市民等、ゆったりと時間をとれない人たちへの格好の入門書であるかもしれない。

最終部で展開されている「情報社会の運営原則」は、さりげない筆致でありながら、今後の社会変革の指針であり、著者の志のありかであるかもしれない。特に、「情報社会において、いや情報社会においてこそ、ベキ法則はいたるところで発現することを不可避の現実とみなし、それが生み出す不均等効果を除去・軽減するのではなく、むしろ積極的に容認し利用することを大きな目標とする」という第一原則をはじめとして、各原則は今後の社会のあり方の本質を洞察された結晶でもある。

二回目以降、読むときには、まず、ここから読む。それから整備された索引を頼りに、興味・問題意識に叶うところを注を含めてしっかり読む。そのような読み方で、今後の社会を見、考える目の涵養を図ることにしたい。