インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

見送りの後で (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)

価格: ¥609
カテゴリ: コミック
ブランド: 朝日新聞社
Amazon.co.jpで確認
自分と折り合いをつけて,愛すること ★★★★★
最近樹村みのり先生の作品を読み直しています。

20年前ころの作品は,生きること,生きて行く上での様々な悩みが主なテーマだったように思います。
この作品は,死をモチーフとしたものです。

一貫しているのは,自分と折り合いをつけて,自分を愛すること,
それが人に対する愛につながる,ということのように思います。

**********
萌ちゃんのママね
りっぱな人よ
昔から優等生で
何でもきちんとできる人で

わたしなんて
いつも比べられて
落ち込んでいた

だけど大人になって
どんなにしょうがない自分でも
今の1回きりしか生まれてこないんだって
思ったら

どうにか頑張って
自分とつきあって
あげようって思えてきた

きょうは駄目だったけれど
明日はもう少し
よい人になろう…って

**********

私自身も同じように感じています。
涙が出ます。
待ちに待った新刊! ★★★★★
私自身、樹村みのり先生の作品もの多くを連載当時に読んだことはありません。あるHPで紹介されていた、『海辺のカイン』を中古で購入したのが最初の出会いです。読後、こんな漫画を描く人がいるんだ!という驚きと共に、樹村先生の存在を知らなかったことが悔しくなりました。同時代の池田理代子先生や萩尾望都先生たちに比べて、評価も知名度も低すぎると思います。

樹村先生の漫画は、いわゆる女の子と男の子が出会って、恋に落ちて、結ばれてめでたしめでたし、という恋愛漫画ではありません。私もそういう漫画は好きですが、そうした恋愛漫画は巷に溢れているし、いささか食傷気味です。
偉そうなことを言わせてもらえば、樹村先生の漫画の根底にあるのは、もっと広い意味での人間同士の「愛」だと思います。家族、兄弟、友人、そして恋人・・・・・・。そうした人間の「愛」を、なんてことはない日常を描くことで、静かに語りかけてきます。

表題作の「見送りの後で」は、高齢の母親が亡くなった後、その娘が母親と関わりに思いを巡らす作品ですが、樹村先生独特の人と人とのつながり、愛情を描く視線がよく表れています。他の収録作も秀逸ですよ。

惜しむらくは、樹村先生の本はあまりに絶版が多いこと!!どの出版社さんでも結構ですから、再版してもらいたい(涙)
世代や性別を問わず、もっと多くの人に知ってもらいたい漫画家さんのひとりです。
深い味わいをたたえた名作 ★★★★★
樹村みのりさんの作品を最初に読んだのは、小学校時代。りぼん誌上だったと思う。
生活の中で漠然と感じていた心の澱のようなものを、等身大の子供の視点のまま明晰に形にした作品は、子供であった私自身にとって虚を突かれた感じで深く心に残った。
高校生ぐらいになって、意識して樹村さんの作品を読むようになると、樹村さんがプロデビューした中学生時代(!)からその作風が一貫し、完成度が高かったことを知り、更に驚いた。

約20年ぶりの新刊であるこの本の作品も、(自然の成り行きで視点が年相応のものになっているものの)、人生の基本的なことへの洞察力を失わず、深い味わいを湛えたものになっている。

「見送りの後」での母親の描写や捉え方、「柿の木のある風景」の二軒の家と家族の時系列に沿った丁寧な描写は見事。名作です。
最後のページまで読んだ時、ふいに涙が出ました。
生きて、在る その意味 ★★★★★
 樹村みのりをご存知でない漫画ファンは結構多いと思います。
帯には「感動の巨匠」とありますが、それほどの巨匠がなぜ知られてないのかという疑問はすぐに湧いてくるでしょう。
 それは、彼女が寡作であるのと、漫画界があまり彼女を評価しなかったことと関わりがあります。
人間の暗部を精緻に見つめ、痛いもの悲しいものを臆することなく描くその深い作風は、きっと当時の商業主義と相容れないところが多かったのでしょう。
 彼女はそれでも媚びることをせず、黒人問題、強制収容所、家庭内での母と娘の対立、カルト集団批判などといった問題を扱いつづけました。
そうした彼女の姿勢に発表当時には反応しないでも、後々まで共感し続けた読者は存外に多かったのです。
 
 朝日ソノラマはそんな彼女を高く評価しました。
作品掲載の場を与え、自由な作品作りを許した編集部と、長く新作を待ち続けた熱心なファンに、樹村は少ないけれどもずしりとした重みある作品で応えました。
 それがこの本収録の「見送りの後で」「星に住む人々」「柿の木のある風景」です。
人間の死と生、一つの家族の姿、古き世代への追憶と、人間にとり根源的な題材を扱った作品群は、容易に読みこなせるものではありませんが、
そのために、読み終えた読者の胸にはいつまでも重く残ることでしょう。
 人が生まれ、子を生んで、死んでいく。それだけのことが哀しく、そして喜ばしい。
そんなことを描く人がまだ生きていて、漫画を描いていて、自分と同じ星に住んでいる。こんな奇跡のような体験を味わわせてくれたことにひたすら感謝の思いです。
 18年ぶりの新刊です。二十余年を経て、初めて単行本に収録された「風のささやき」「また明日、ネ」を含めるなど、値段の何倍もの価値があるので、ぜひ購入することを勧めます。