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保科正之―徳川将軍家を支えた会津藩主 (中公新書)

価格: ¥777
カテゴリ: 新書
ブランド: 中央公論社
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大河ドラマの主役では見れないだろなぁ ★★★★☆
徳川家光の弟にして、家光、家綱を補佐した人物 保科正之については、筆者のいうとおり一般に馴染みがない。本書をよむと、徳川政権が武断政治から文治政治への転換を図るにおいて、保科正之の政策が、重要な役割を担っていたことが良くわかる。

秀忠との恵まれない親子関係が、家光という理解者を得て、徳川へのあまりに謹厳実直な忠誠へ向かわせたこと、この忠誠心が連綿と続き会津藩の戊辰戦争での態度を決めたことが、理路整然と記述されており、興味深かった。保科正之という人物が、その事績に比べると、まったくといっていいほど評価されてこなかった理由についても納得のいく説明がある。

私生活の暗いかげを払拭するかのように政務に打ち込み、民衆の信を得て、一時代を築いた、まさに名君ではある。筆者のほれ込みようもかなりのものだが、残念ながら、大河ドラマの主役としての保守正之を見ることはないだろうなぁ。
その合理主義の顛末 ★★★★☆
まさに名君の要素を兼ね備えた人物が、幕政や藩政に影響を及ぼすことで多くの民衆が救済された。

しかしその一徹な将軍家への忠義の精神が、堅い遺訓として会津藩に伝えられ、
幕末の悲劇へと結びついてゆく。
時勢におもねることのない純粋さが、悲劇をより一層冷たく美しく際立たせているとも言える。

殉死を禁じ、江戸城天守閣の再建を無用として退け、
大火災で焼け出された江戸市民に惜しげもなく幕府の財産を費やし支援を惜しまなかった、
合理主義的な政策の目立つ保科正之であったなら、幕末の困難をどう生き抜いたであろうか。

その言葉だけが残され神格化され、正之には到底及ばないような人々がそれに愚直に縛られる状況では、
せっかくの合理性も精神も、損なわれてしまうというものではないだろうか。
手ごろな一冊 ★★★★☆
「保科正之とはいつの時代のどのような人物か」ということを知るには手ごろな一冊。会津ものを多く書いている著者の本だけに、贔屓の引き倒しのような発言には事欠かないが、それにいちいち目くじらを立てるのは野暮というものであろう。割り切って読むことをお勧めする。

ただ、第二次世界大戦末期に「保科正之ブーム」とでも呼ぶべきものがあった点をまったく無視している点だけは看過できない。これは近代会津の歴史観そのものに関わるポイントであるのだが、そのあたりの議論に関しては、中村彰彦には正直ほとんど期待できない。そこで、ここでは問題を指摘するにとどめておく。