知財の視点からみるトヨタ
★★★★★
著者が知財の方みたいで、特許の視点から現トヨタ自動車の成り立ちまでの過程を見ていく内容でした。
今トヨタと言えば自動車と答える人が大多数でしょう。私もそうです。
ですが、母体となったのは自動車とは関係ない豊田自動織機製作所と呼ばれる布を織る機械を作っている会社です。
なので本の内容前半の大半で、織機の発明の話が続きます。
日本が技術力で海外に遅れを取っていた時期、織機製造に目を付けた豊田佐吉。発明を重ね、日本の技術力が海外を追い抜くまでに成長していく。自動織機の開発の過程と豊田佐吉の発明半生を眺めていく。
特許の視点ではあるが、話としてくどくもなく、分からなくても読める。基本的に知らないことだらけでもあったので個人的にはとても楽しめた。
後半は、喜一郎と自動車業界への進出の過程を、イノベーションとしての評価を交えつつ述べられている。如何にして自動車業界へ向かったのか、そして苦労などが描かれている。
最近トヨタの批判本が多いように思えますが、単なるマンセー本と言うのも…という方に、豊田を生み、育てた2人の発明家としての視点で見る面白さがあります。お勧めします。