動物行動学を学ぶヒロインが呆れるほどの不器用さで研究に、そして恋愛に奮闘する様を、オフビートかつリリカルにつづった人生恋愛模様の快作。鵯越大学でテントウムシの研究に没頭する仁子(竹内結子)は、ロンドン留学中に付き合っていた今や環境生物学の権威である南原(内野聖陽)の、生物学的に“オスの本能に忠実でありすぎた浮気の現場を目撃してしまったという恋愛的トラウマを今なお引きずっている。もともとオクテな性格にいっそう拍車がかかった状況を打破すべく、大学附属小学校の非常勤教師・健一(黄川田将也)に恋心を抱き始めていたちょうどその頃、クロフォード賞受賞という肩書きを引っさげて帰国した南原が仁子の前に再び姿を現した。
才気に任せて展開を連ねていく語り口はやりすぎるほどに快調で、脚本の大森美香が今作で向田邦子賞を受賞したのも至極納得である。細かいエピソードまで数えあげるならば、1987年から2007年までの20年間のうちの10年間を行ったり来たりし続ける時間軸が主人公とドラマを翻弄させ続けるも、その行き来のたびにドラマのボルテージは高まっていく。動物、昆虫の学術的うんちくのみならず、恋愛から人間の本質にまで言及される示唆に富んだリズミックな台詞の応酬は聞き物だ。さらには諫早湾の干拓問題という社会派テイストまで内包するあたりの、硬軟取り混ぜてのバランス感覚はお見事というしかない。ラブコメへの適性を遺憾なく発揮する竹内結子は時を経るごとにいとおしい存在になっていって魅力的。じっくりとドラマ体験していただきたい作品である。(麻生結一)
自分の好みな要素が満載★★
★★★★★
最近、DVDを見直してやっぱりおもしろいなぁって再確認。
遅ればせながら、サントラも注文しました。
竹内結子さんが大変魅力的です。ファッションもかわいいし、個性的な人々との
掛け合いがたまらなくおもしろい。皆さん言われているように音楽もいいし
動物行動学など、未知の分野を知る興味深さもあります。
向田邦子賞を受賞しただけあり、ハートフルで笑えて、斬新な
大変よくできた作品であると思います。
胸キュン
★★★★★
久しぶりにどっぷりハマってしまったドラマ。
南原教授かっこいい。
オレは干潟にいる何万種類の生物よりもアイツが大事だ by教授
★★★★★
まず、第一話の冒頭に、
最終回のラストシーンを見せてしまうというのが凄い。
そしてそこからドラマは時間を遡り、二人の恋の軌跡が始まるわけですが、
それがまたシリアス半分、ギャグ半分みたいな感じで、
見ててとても面白いやり取りが満載です。
主人公2人の恋だけでなく、
色んな味のあるキャラが次々に登場してぜんぜん飽きさせないし、
後半はとてもヘビーな長崎・干潟問題を扱ってるにもかかわらず、
漁業者の苦悩と、研究者の葛藤、国家の持つ力、
これら立場の違いを生かした設定がとても上手で、見ててわかりやすかった。
他のレビューにもあるように、結局2人は別々の道を歩むのですが、
再会時のちょっと他人行儀になってしまったシーンを入れてるのが、
視聴者からしたらある意味で残酷ではあるけど、
それは絶対に重要なシーンで、それをきちんと押さえてるのが良い。
これがあるから、過去の2人の恋が新鮮に蘇ってきて、
その他人行儀になってしまった結末との対比が、
すがすがしいまでのリアルさを感じさせてくれます。
人生は刹那。結末うんぬんではなくて、
時間が戻らないからこそ一瞬一瞬はとても貴重なんだと、思わせてくれます。
教授がタクシーで恋人の仁子に会いに行く時に、
思わずつぶやいた言葉、「人生は、なんて素晴らしいんだ…。」
というシーンが印象に残っています。
ドラマにしては、現実的に降りかかる問題の全ては乗り越えられず、
理想は理想のままで、ちょっぴり厳しい選択をしないといけなかったり、
主人公達の悩みがリアルに解るし、共感もできるし、
むしろアンハッピーエンドで良かったとすら思います。
ドラマを見た後に残った切なさもまた、このドラマの味かもしれません。
個人的に、過去に見たあらゆるドラマの中でもトップクラスに入り、
文句無しで星5つです。これはお薦めです。
笑えてしんみり。。。
★★★★☆
昔のドラマに今頃はまってます。TV放映時は最終回だけ見たのですが、何で別れる???でした。きちんと初めから見てたら内野さんはまり役です。舞台人の印象があったから芝居が大げさな気がしてましたが南原教授にはピッタリ。まさにマダムキラー。中盤迄は面白〜いと笑ってられるけど、徐々に雲行きが怪しくなって段々落ち込んできました。教授の気持ちが解るだけにちょっと辛いなあ〜。遠くから見守ってる時は良いけど、自分の許に来たら返ってエゴが出てくるんでしょうかね。難しい。。。続編作って貰ってラブラブな二人を見たいなあ。
媚びない女の子、バンザイ。
★★★★★
ドラマはリアルタイムで見ていたのですが、DVDを購入したのは2007年の年末、ドラマの始まりに設定されていた時期です。なぜかずっと心に残っていたドラマだったので、確かめるような気持で、見ました。最近も諫早湾のニュースがあったので、また見直してみましたが、何度見ても、新鮮な楽しみがあります。なぜ、このドラマにこんなに魅力を感じるかというと、人って理屈じゃないんだよな・・・それこそ遺伝子に支配されているとしか考えられないような行動をとってしまう、そういうところすごくうまくドラマにしているからではないかなって思うんです。
竹内結子さん演じる主人公の仁子が最高。「女の子だったら誰しもおしゃれや恋愛や結婚やそういうことに興味があるはず」という決め付けから外れて、子供のころから虫が好きで、そのままの興味を育てて研究に打ち込む、媚びない女の子。だから彼女が恋愛するときって、それこそ遺伝子が働いたとしか考えられないやむにやまれない惹かれる気持ちが起こったとき。だけど、教授に対しても、健一君に対しても不器用で、上手に続けていくことができない。健一君との恋愛の始まり、大好きで楽しくてっていう時期、そしてどうしようもなく壊れていくところなんて、身につまされました・・・。
いろいろな要素がいっぱいあるけれど、誰しも人間には多面性があっていろいろなこと抱えているんだよということの象徴になっている感じです。ともかく、脚本がすばらしく、素敵なセリフも多くて、教授も研究室の人々も神宮寺も勝田もみんなそれぞれに魅力的。でも私はやっぱり、媚びない女の子、仁子ちゃんバンザイと言いたいです。