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人間はどこまで耐えられるのか (河出文庫)

価格: ¥998
カテゴリ: 文庫
ブランド: 河出書房新社
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読みごたえあり ★★★★★
この猛暑がきっかけで、「人ってどの程度の暑さまで耐えられるのか?」と、ふと思ったところで出会った書籍。

「高さ・寒さ・深さ・宇宙空間」など、身近だが普段あまり気にしなり切り口からの「人の限界」の解説は、内容が濃く、ロジカルかつ面白い。
速読でなく精読し理解を深めれば、高等な「ウンチク」として使える内容豊富。

肩肘張らずに読むことができる ★★★★★
学者が一般読者向けに書いた本ということだが、身近な例やエピソードでわかり易く説明されているので、書かれていることがイメージし易い。だから、完全な文系人間の自分でも最後まで興味深く読むことができた。

科学者が一般読者向けに書いた優れた本(日本では優れた新書が該当すると思う)に出合っていつも感じるのは、この著者が中学校・高校の先生だったら自分も理科系の科目に興味を失うことがなかったのかもれしれない…ということだ。

印象深かったのは、何度も述べられている「人間の体はつねに科学者の予想を覆してきた」という言葉。当然、科学者の予想は、ある一定の根拠に基づき導き出されるのだが、その根拠が間違っている場合や予想の仕方に誤っていた場合もある。それも含めて「予想を覆してきた」ということなのだが、著者が本当に言いたいのは、人間の限界はまだわからない、ということなのだと思う。

誰でも、自分の予想(理論)の正しさを実際に確かめたいという欲求はあるはずだが、その究極が「自分自身で確かめる」という方法だ。本書をおもしろく読むことができた方にお奨めしたい一冊がある。科学・医学の分野で実際に自分自身が実験台となった人物をまとめた「自分の体で実験したい―命がけの科学者列伝」だ。本書同様、肩肘張らずによめる一冊で非常に面白い。お奨めです。
科学の知識で、身の程を知る ★★★★★
「長期の(宇宙)飛行では赤血球の数が少しずつ減り、骨からカルシウムがにじみ出て、筋肉が萎縮する。このような変化のほとんどは六週間ほどで安定するが、骨の損傷はずっと続き、一年におよぶミッションでも適応は確認されていない」。

科学の本。なんといっても、切り口が良い。人間の体が、どの程度限界ギリギリの環境に適応できるかを論じた本。他の生物についても言及されている。以下の章立て通りの内容である。
1.どのくらい高く登れるのか
2.どのくらい深く潜れるのか
3.どのくらいの暑さに耐えられるのか
4.どのくらいの寒さに耐えられるのか
5.どのくらい速く走れるのか
6.宇宙では生きていられるのか
7.生命はどこまで耐えられるのか

著者はOxford大学の教授。日本に何度か来ているようで、海女や温泉の話が出てくる。

バンジージャンプは落ちた後の急減速がむしろ危ない。宇宙ステーションで寝るときは空気の対流の向きを考慮しておかないと、自分の吐いた二酸化炭素で窒息死する危険がある。水は熱伝導率が空気の25倍なので体温が奪われやすく、冷たい海で遭難した場合はすぐ近くに陸地がある場合を除いてあまりもがかない方が良い。

また、極限状態でのいろんなエピソードも載っている。一番びっくりしたのは、1812年にモスクワから撤退したナポレオン軍の兵士たちが、マイナス28度という条件を利用して馬を生きたまま食糧貯蔵庫にしたという話。

多少分量はあるが、中身はとても面白かった。しかも、特別な前提知識は不要。しかし、このテーマの中に、生物、物理、化学の基礎知識がバランスよく散りばめられている。物知りネタの宝庫としても読める。

ただし、これを読むと、宇宙とか深海に行きたいとは思わなくなるかもしれません。
偉大じゃ ★★★★★
372ページにしてわずかに7章から成る本書は、「びっくり!人間の限界あれこれ」というような、
キワモノを集めたものなどではなく、極めて硬派な、超一流の生理学分析に基づいた良書である。
「走ったらなぜ息が上がるのか」というような、普段まったく疑問に思わない事まで丁寧に丁寧に
解説し、あるいは「なぜ凍傷になるのか、なったらどうすればいいのか」という、覚えていてまず
役に立ちそうにはないけれど、知らなくても良いかと言われれば知っておいた方が絶対良いと思
えることなどもたくさん網羅されている。
著者はなんと、オックスフォード大の生理学部教授にして、インシュリン分泌に関する第一人者で
あるという。その著者がわれわれ読者のために持てる知識を総動員して、人間あるいは生物の素晴
らしさについて書いてくれたのだなぁ、という善意すら感じる。
NHKの『驚異の小宇宙 人体』とか、ちょっと前にベストセラーになった「生物と無生物のあいだ」でも、
生命活動の偉大さに触れていて、大きな感動を呼んだが、本書はそれらと似ているようでまったく異
なる次元からアプローチしている。それがまた面白い。
ちょうどオリンピックの最中でした ★★★★★
本書を見たのは、ちょうどオリンピックたけなわの頃でした。
どれくらい潜水できるかの事例として、海女、日本の女猟師の紹介をしています。
女性の方が、潜水に向いているのは、男性よりも長く生きを止められることと、寒さに強いことからとのことである。
さまざまな面での人間の限界について、生理学者らしい視点で論点をまとめている。