我への涙。あなたへの想い
★★★★☆
第11話「ハートの鍵穴」
信用したいけど裏切られるのが、怖い。
疑心暗鬼に駆られ、他人から距離を置き自己防衛に走る。
その優しさゆえの反発、孤立、孤独に葛藤し、心を磨耗させる
彼女の内面を掘り下げた真剣な展開に心打たれました。
髪の毛から表情まで繊細な動きが光る作画のきめ細かさと相乗した
見応えある秀作に仕上がっています。
第12話「クリスクロス」
2度目のバレンタインゲームで、狭い檻から抜け出そうとする
彼女の心の変化を丹念に描いています。喜怒哀楽の強い祐巳の魅力、
誠実さをあらためて言葉にすることで、一呼吸置いて
次回へ繋ぐ丁寧な布石にしているように感じられました。
疑う慎重さより、受け入れる誠実さに惹かれるのには良く分かります。
第13話「あなたを探しに」(終)
以前、ロザリオの授受を解決策の道具(繋がりの強制構築)として
使っていたのに対して、今回は敢えてそれを描かずに
過程を重視して作り込んでおり感心しました。
「それ」はあくまで結果的な儀式にすぎず、そこに至る二人の絆が大切だという
スールの本質を的確に捉えていたと思います。
誠実に素直に心境を吐露する彼女の本音と真相に感動し、涙しました。
ぜひ、第11話から連続視聴して頂きたい秀作に仕上がっています。
現実逃避万歳。
★★★★★
「マリア様がみてる」は好きですか? 私は好きです。どうしてなのかと考えるに、現実的素材を用いながらこんなにもリアリティを度外視し現実逃避を促す世界観が稀有だからではないでしょうか。現実では切り離せない「性」の匂い。それが漂わない(擬似)恋愛。肉感的な要因が完璧に問題視されないプラトニックな恋は、現実にそれを見つけんとすればシャボン玉のように儚く、やがてバランスを失って散ってしまうでしょう。(同性であれ異性であれ愛憎と切り離せないのは常に「性」ゆえに。未来という概念、生活という軛も性と絡み合って愛憎の秤にかかってしまう。)アニメやマンガや小説だから、フィクションだからは無論問題でない。ただ「マリア様がみてる」の世界観の中でなら、彼女たちは互いに抱き合い、手を繋ぎ、相手への「好き」を口にしても、相手を想って涙を流しても世界の均衡が崩れることはない。背徳の匂いが漂わない。馬鹿げた表現と認識しつつ敢えて言うなら、この世界には良識が備わっている。それはポリシーではないのか? リアリズムがこざかしく見えてくる。
「マリア様がみてる」は好きですか?
好きか嫌いかが評価の分かれ目になる。そんな種類の作品があるなら、これはそこに属するものでしょう。
熱演に感動
★★★★★
11話のハートの鍵穴は4thの一番だと思います。キャストさんたちの熱演に圧倒されます。作画も綺麗でしたし、演出も最初から最後まで素晴らしかったです。本当に心を打たれた話です。最後の乃梨子ちゃんに聖様を思い出しました。大きな事件や大どんでん返しがあるわけではないのですがこの作品にとても魅了されます。未だにふとした時に1st、2ndを見返したりしてしまいますし、当時と同じように夢中になります。癒しとはちょっと違うような不思議な感覚です。飛ばされてしまったエピソードも秀逸なので是非とも映像化してほしいです。もちろん絶対5thあると信じてます。