古代政治史上あまりにも有名なクーデター・大化改新を題材に、敵対関係にあったというイメージが強い中臣鎌足と蘇我入鹿の友情を軸として、愛と裏切りの青春模様をドラマティックに描いた古代史ロマン。聖徳太子亡き後の飛鳥の地で、同じ私塾に通う中臣鎌足(岡田准一)と蘇我入鹿(渡部篤郎)は、身分も性格も正反対でありながら、新しい政治への志を同じくして友情を育んでいた。朝廷の神事を司る豪族の家柄であったにもかかわらず、仏教思想に傾倒していく鎌足は飛鳥を離れて三島に旅立つことを決意。入鹿から求婚されていた幼馴染の与志古(木村佳乃)もまた、鎌足とともに人生を歩むことになる。一方、絶大なる勢力を誇った蘇我一族にあって私利私欲にとらわれる父・毛人(原田芳雄)から実権を奪った入鹿は、独裁者としての道を歩み始めるのだった。
策士のイメージが強い中臣鎌足が正義感に燃える純粋かつ不器用な性格の若者であったり、極悪人のイメージである蘇我入鹿が苦悩する為政者だったりするあたりの解釈が大胆かつ斬新。古代史の世界という重々しさとは正反対のまぶしいほどの青春群像が全編にはじけるあたりは、いい意味で裏切られた感じだ。鎌足が入鹿を討つ劇的なクライマックまで、とにかく目が放せない。(麻生結一)
人は人として涙を流す
★★★★★
正直なところ、最初はまったく期待していませんでした。暇つぶし程度に見ていたのに、……いつの間にか、心ごと大化の時代に飛んでいました。
皆さん演技が秀逸だったのですが、中でも鎌足役の岡田准一さんの演技は鳥肌が立つほど素晴らしかったです。親友である入鹿を討ってしまった、そして人の目も気にせず鼻水を垂らして泣く彼に、画面の前で水溜まりができるほど泣きました。
時代がいくら変わろうと、人が人を想い、人として泣くことは変わらないのだ…と感じた作品でした。
いい企画です
★★★★☆
まず、この題材をドラマ化した英断に拍手。何だかんだ言ってもこの企画はNHKでないと無理でしょう。細かな話ですが、人々が拍手を顔の前でなくて頭の上でする描写があります。この時代は以前もっくんが聖徳太子をやった事が有りますが、平安時代以降に比べると伝承が少ないので作り手は自由な発想で作れるのではと思います。鎌足と入鹿の人間ドラマとしても良く出来ている(渡部篤郎が特に好演)と思いましたが、歴史マニアとしてはこの時代の衣装や生活様式を考証してビジュアル化してくれている事だけでも嬉しく思います。
とにかく斬新・・・です
★★★★★
歴史大好きで歴史小説やドラマを沢山観ましたが、そんな中でも、入鹿と鎌足が親友だった等の解釈に驚きました!岡田准一さんのファンの方は彼の違う面も見れていいのでは?私も彼の魅力のとりこになってしまいました・・・鎌足の息子の真人やかの有名な不比等の今後の活躍も是非やってほしいですね。
古代史ロマン
★★★★☆
中臣鎌足と蘇我入鹿が親友だったという斬新な解釈のもと、友情と恋、理想と現実といったドラマが生き生きと描かれていたと思う。
鎌足と入鹿の関係に重点が置かれていたため、歴史ドラマとしてはずいぶんはしょられていた感は否めないし、大化改新の当事者である中大兄皇子の描き方も食い足りないものがあったが、古代史ロマンという観点からすればとても楽しめた。
鎌足と入鹿を演じた岡田准一と渡部篤郎はともに、従来の人物のイメージを変える好演だったと思う。特に入鹿は理想と現実の間にゆれる為政者の姿が新鮮だった。
唯一残念なのはラスト。入鹿が死んで国が変わってメデタシメデタシという終わり方は、その後の歴史からして納得できない。鎌足もまた苦悩する為政者としての道を歩んでいくというエンディングでないとクライマックスの入鹿のセリフが生きてこないと思う。
入鹿暗殺の場面のはりつめた緊張感と入鹿の最期が胸を打つだけに、ラストはちょっとがっかりした。
これならOK☆
★★★★☆
個人的に歴史は得意なほうではなかったし、興味もほとんどありませんでした。でも、岡田さんのファンだったので見てみると、なかなかよかったです!!歴史も少しは覚えられるし、それに岡田さんの演技がとても男らしかったです。おすすめです。
岡田君の役柄が凄く新鮮!
★★★★★
岡田君の役柄と渡部さんの悪役な感じの組み合わせががなんか凄く斬新かつ新鮮でした。幼馴染で地味だけどまじめに成長していく岡田君の役とは対照的に派手で乱暴気味に成長していく渡部さんの役柄に見入ってしまった。最後が可愛そうな気がするけど史実に基づいているのだからしょうがないなと思いつつドラマにのめりこんでみてました。