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愛はなぜ終わるのか―結婚・不倫・離婚の自然史

価格: ¥1,937
カテゴリ: 単行本
ブランド: 草思社
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人の恋愛行動を分析された名著 ★★★★★
書名『愛はなぜ終わるのか』と、オビの「人間は4年で離婚する!?」は衝撃的だった。
当時、この本があるところで、いきなり、文字が目に飛び込んできたことを記憶している。

男性と女性が出会い、恋愛、結婚する過程が、心理学的にも行動学的にも分析されている。

p16 ロマンスの始まる器官はたぶん心臓でも性器でも脳でもなく、目なのだろう。ひとの視線がほほえみを引きおこすことはよくある。

p103 「結婚にしがみついて、残る生涯を不幸に過ごしてはいけない」とカナダのミクマク族はいう。

p106 四年目の浮気 世界62の国の離婚のピーク
    [p107のグラフは、4年目がきわだっている。]

「愛すること」ばかりに目を向けてしまうけど、「別れること」もあるのが人間社会だ。
 ある新聞で、「結婚するより、離婚は3倍のエネルギーが必要です。」との記事を読んだような記憶がある。
 この本を読むことで、「結婚・不倫・離婚の自然史」を学ぶことができる。

 今、ヨーロッパの先進諸国では、結婚という制度が揺らいでいる。
 それにともなって、社会保障制度の整備も進んでいるようだ。

 榊原英資(さかきばらえいすけ)著『幼児化する日本社会』(東洋経済新報社2007年)の第2章・家族の変質・変わる結婚のかたち(p54)も参考になります。

 4年で離婚、これは心理学的にも、「あきる」のかも知れませんね。
 日本の自動車のモデルチェンジが、4年に一度ぐらいにされるのも、「あきる」ことへの対応のようです。
 夫婦には、あきない工夫と努力の積み重ねが必要のようです。
これは狩猟文化圏で発生した論理 ★★★★☆
人間をもっとも進化した複雑な動物である霊長類の長と位置づけて、「その配偶者選びは、個体ではなく個体の親が行う傾向が出てくる」という表現をしたのは、画期的だ。
著者の論旨でいくと、進化していない動物ほど配偶者選びが容易であり、霊長類の長にいたっては、自分で選ぶどころか、個体の親の意思が色濃く反映されてくる、というのだ。
人間と他の動物を切り離していては、こういう発想は出てこないだろう。
なぜ自分が配偶者選びに困っているのか、と考える人にとっては、「それは霊長類の長だから。」という意外な方向からの解答でもある。
今でも、日本はもちろんのこと中国や韓国など極東の地域では、「結婚=家と家の結びつき=親の意向」という習慣が強い。ここらへんには、やはり「農耕文化」対「狩猟文化」という図式を感じざるを得ない。
「農耕」の社会では、性的魅力をアピールすることはどちらかというと禁忌とされるし、「狩猟」文化圏では胸元を露出したドレスや、男性のタイツなどを考えるとアピールは不可欠のものと考えられる。
社会性が高まるほど容易に配偶者選びができなくなる、という論理でいくなら、農耕文化はやはり「高度に社会的」であるといえるのではないか。
と考えると、「(約)4年で飽きる」というのは、もともと性的魅力で異性を選ぶことに積極的であった狩猟文化から生まれた論理、というふうに思う。
極東地域には、もともとそういう文化・土壌があったわけではないのだ。
中国においては皇帝ですら、女の魅力に負けて国を傾けた、などと非難されてしまうのだから、「性的魅力で異性を選ぶ」は社会基準としては「よろしくない」とされてきたのである。
我々はもともと「性的魅力」を基準にして異性を選んできた文化をもっていないので、「4年で飽きる」という分析じたいが、無効なのである。しかし、恋愛至上主義に毒された世代以降の人々にとっては、例外ではないかもしれない。
恋愛を学問から見た本 ★★★★★
かなり衝撃的なタイトルだが、恋愛の現象を、生物学、人類学、進化論、神経科学などから総合的に理解しようとした意欲的な作品である。進化論的な議論による仮説は、それなりに魅力的だが、それに終始していては机上の空論である。しかし、本書は、そうした仮説を人類学の研究や神経科学(心理学)の実験などを持ち出して検証している。また、恋愛は同時に文化的な問題でもあるが、本書では文化的な背景にも言及されている。内容は平易で読みやすく、それなりに説得力もある。本書を読んでも恋愛上手にはなれないかもしれないが、一歩引いた視点から客観的に見られるようになるかもしれない。学者はこうした話題を取り扱うと信用を失うと考え、避けるものだが、一般人からしてみれば、こうした話題こそ興味の対象でもある。いい加減な本ばかりが出回っているが、本書のような学問的な視点で書かれた本がもう少し増えてくれると面白い。
学際的でまじめな本 ★★★★★
日本語では衝撃的なタイトルだが、学際的なまじめな本だ。原題は"Anatomy of Love"(つまり「恋愛の構造」)だ。内容は、恋愛感情や結婚制度の歴史と原因を、まじめに解説している本だ。生物学、霊長類学、歴史学、考古学、統計学、社会学、経済学、心理学、文化人類学などの成果を、うまくとりまとめているし、読みやすい好著だ。
 キリスト教社会で重視される、一夫一妻制が農業社会(特に鋤の利用)によって、発生したという説明は十分納得がいく。農業社会が終わり、女性が外で働くようになったことは、狩猟採集時代に戻ったのと同じで、未来の恋愛・結婚が狩猟採集時代のそれと同様になっていくという、本書での予測がどうなっていくか楽しみだ。
我々はいかに身体の「自然」と共存するか? ★★★☆☆
「話を聞かない男、地図が読めない女」の人類学的分析バージョンというべきか。性愛の最も濃密な時期(下世話な表現をなるべく避けているつもり)というものは確かにあり、濃密でなくなる、つまり「飽きが来る」ということは率直であれば誰もが認めるところかもしれない。カップルが町を歩きながら、男は他の女のボディラインを視姦し、女はレディス・コミックのシーンを思い浮かべるということが、ホモサピセンスのごく自然なリズムとして、起こりえる。関係の危機には動物的な側面があるということだ。逆に、関係が終わったと直感してしまうとき、それは身体のリズムのごく一面にすぎないのかもしれない。「結婚とは美しい誤解である」という言葉がある。だが、終わりもまた錯誤かもしれないのだ。結婚生活に対する倫理観というものに、人類はまだまともな答えを共有しきれずにいるが、大いなる自然をいかに社会生活の枠組みに取り込むことができるかを、我々は模索しているのかもしれない。