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快楽の本棚―言葉から自由になるための読書案内 (中公新書)
価格: ¥798
カテゴリ:
新書
ブランド:
中央公論新社
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葦舟、飛んだ
作家太宰治の血は争えない
★★★★★
子どもが何かを見るとき、「言葉」に頼ったりしない。成長するにつれ、「言葉」を身につけ、それに縛られ始める。そのとき、「私」がいかなるものとして生きているか、曰く「女」として、性別という束縛の中で…「はじめに」において、著者はこのように語り出している。人間の一生として、例外はあるにしても、どうあがいても肉体の次元に従うしかない。人間は愛や死を文学によって語り、歌に歌うものだが、それらの言葉から自由にはなりえていない。しかし、言葉から解放されることを著者は念じているように思われる。〈ここで著者の使っていない言葉になるが、「呪縛」と言えばいいのではないだろうか〉
第T部は、発達過程の流れに沿って、幼年時代の「魔法の世界」小学時代「おばけの話」「言葉を遊ぶ」中学時代の「アガペとエロス」と読書体験が綴られている。何はともあれ、父親太宰治の小説にいつ接したかに興味が湧く。小学高学年のころ「母親に知られれば叱られそうな気がしたので、こっそり全集本の中身を調べてみた」が、「がっかりしたのだった。小説をいくら読んでも、そこから作家の日常は決して浮かびあがってこない」ということが分かる。「今思うと、父親の小説をそっとのぞいたことから、思いがけず、小説と事実の、整理することのむずかしい関係を教えられてはいたのだろう」と回想する。作家の血筋は争えない。
第U部は「好色一代男」「チャタレー夫人の恋人」など性愛小説中心に、大人〈女流作家〉になつてからの読書遍歴が綴られている。書名『快楽の本棚』の拠って来たるところである(雅)
一読して
★★☆☆☆
著者の津島佑子という方は小説家らしいですが読んだことは有りません。
内容は津島女史自身が成長とともに読んできた本を紹介するといったもの。
読書日記というか、私的な感覚で小説に言及しています。
しかし言及が浅いような気がしてなりませんでしたね。
もっと面白い考察があれば読む価値も有るのでしょうけれど…
津島女史の小説が大好きだ、という方なら読む意味も有るように思いました。
小説家の書いた新書ですが・・・
★★★☆☆
小説家が自分の読んだ本のなかから印象に残った作品について気の向くままに書いた随想風の読み物である。 しかしながら、間違いが多いので注意を要する本とも言えよう。 一例を挙げるならば、157ページに「1453年のビザンティン帝国崩壊の際のトルコ軍の略奪でいったい、どれだけのサッポーの作品が失われたか、今となっては推定するすべもなくなっている」などと書かれているが、ギリシア・アルカイック期のこの閨秀詩人の書物は、すでにキリスト教徒によって徹底的に焚書に付されてしまっていたし、オスマン・トルコ軍に破壊された等という表現は全く事実に齟齬するものでしかない。おそらく西ヨーロッパ中心の作品ばかり読んでいるから、このような謬見に陥ってしまうのであろう。