いわゆる「お徳用」です
★★★★★
富士山好き故に「富嶽百景」を読みたく講入
”富士の頂角は鈍角も鈍角でのろくさと拡がり...”
冒頭から名峰富士の姿を腐す辺り如何にも太宰らしい
・・・・・・本当は好きなくせに・・・
11月になり御坂峠のあまりの寒さに長らく滞在した茶屋を後にするその前日
旅行中の若い華やかな娘さん二人に富士山をバックにカメラのシャツターを切ってくれと頼まれる
"私はふたりの姿をレンズから追放して
ただ富士山だけを、レンズ一ぱいにキャッチして
富士山さようなら、お世話になりました。パチり。
家へ帰って現像してみた時には驚くだろう。”
・・・・・・またまた、本当はちゃんと撮ってあげたくせに・・・
全558ページ11作品収録のタップリサイズです
読み辛い
★★☆☆☆
文字が、ページの内側ギリギリまで印刷されており、
目一杯開かないとしっかり出て来ない。
確かに太宰の代表作を網羅したのは良いのだが、
この様に、少々無理のある形での製本と言うのは
長い目で見ると余り面白くない。
これから買う方は、余裕を持って読書出来る製本か
どうかと言う観点で見るとこれはイマイチと言う事
だけ知っておけば良いと思います。
あ、そうそう、新潮文庫だと本編の終わりに
まとめて紹介されてる本文の用語解説が、こちらは
必要なページに逐一載せて有る点は分かりやすくて
グーです。
エンターテイメント性を読み解いてこそ
★★★★☆
「人間失格」のような作品ですらも、エンターテイメント性を失わないところにこそ、太宰の凄さがあり、同時に彼がどれほど病んでいるかを示しているように思います。
ギュッと詰まった太宰の世界です
★★★★★
39歳で逝った天才作家の作品を11作品も納めた贅沢な文庫です。使える時間と気分に合わせて順不同で読むのがお勧めです。
「満願」「葉桜と魔笛」は女性の心理を見事に描いた短編。「トカトントン」「ヴィヨンの妻」はユーモアが溢れ、「人間失格」「斜陽」は、太宰の自己表現の代表作として、重く、読み応えがあります。
左ページの左端の注釈はとても分かりやすく、思考を中断せずに読み進めることができます。また、巻末の「太宰治伝」や「作品解説」、年譜は、太宰をより深く知る手掛かりとなります。今年は、太宰生誕100年で、作品の映画化も複数あるとか。かつて読んだ太宰作品を読み直したり、未読の作品を数多く読んだりしてみたくなりました。
大いなる社会の1テーマ。
★★★★★
太宰治氏の作品に於いては、"道徳"と"エゴ"が天秤にかかった時に"エゴ"が勝つ事が多い。言い換えれば、氏はそれを肯定している。否、したいのか。例えば、「斜陽」に於いても"斜"である主人公が"陽"と輝く姿が描かれている。「ヴィヨンの妻」を(勿論)含めて全般的に見ても、随分と考えさせられる作品が多い。
養老孟子氏が言った様に、『人は自分と関わりがないもの(映画、本等)には興味が持てない』。とすれば、やはり"道徳"と"エゴ"の問題などは万人共通であるからして、少なくとも私を惹き付けたし、そしてたぶん読者の(読者になるかも知れない)あなたも惹き付ける様に思う。