相変わらずですが
★★☆☆☆
漫画しか知らない友人に
「君はフロントミッションが好きだと言っていたけど、こんなに暗い話だったんだね・・・」
と言われてとても困りました。
本作は、あくまで太田垣康夫氏原作のヴァンツァーっぽいロボットが出てくるミリタリー漫画であって
原作のフロントミッションシリーズとは、ストーリーのノリがかけ離れています。
本巻では特にそれを強く感じます。
ゲームでのフロントミッションシリーズのシナリオ担当は、作品によってバラバラですが、
基本的に主人公やその仲間達は(時には現実には有り得ない程の)正義感と、
それを貫く意志の強さを持っています。
私にとっては、そういった部分もフロントミッションの好きな要素の一つなので
それと間逆な本作はあまり楽しめませんでした。
勿論、それは大人から子供まで触れるゲームというメディアであるが故なのかもしれませんし、
それが作品のコンセプトであるとか、今後も守るべきだと言うつもりはありませんが、
少なくとも、既存の原作のストーリーが好きな人には、この作品は合わないのではと思います。
この本を読むにあたっての注意点
★★☆☆☆
余りにストーリーが、飛躍し過ぎて何が何やら分からなくなる。
私は、原作をこよなく愛する信者なので、何か汚された気分です。
内容は、とてもシュールで血生臭いです(1巻〜4巻迄読みましたが全部そんな感じです)。
ですから、スプラッタ物が嫌いな方にはむきません。(私も怖い物見たさで買ったクチです。)
今回の内容は、戦争と言う名の狂気に侵され、戦友(とも)まで殺し、英雄にまで登りつめたまではよかったが……みたいな感じです。
最後に、とんでも無い事を書いていますが、この内容を受け止めるだけの器が無い方にはお薦め出来ません(私も後悔しました)。
以上です。
圧倒的な戦場の狂気
★★★★★
この4巻は、今までの中で「圧倒的な戦場の狂気」を表している。
4巻と比べると、前巻までは単なるアクション漫画に過ぎないと感じる。
呪われた主人公アレックスが親友を殺し、その妻を奪い、劇的なクライマックスへ。
そこで彼は狂気そのものとなる。
ここで描かれた狂気に寒気を覚える程である。
戦場に祈る狂信者
★★★★★
第4巻は「英雄の十字架」。
地位も名声も、美しい花嫁まで、全てを持っていたジョニーと、
全くのゼロの男アレックスの物語です。
最新戦闘ロボット「ヴァンツァー」を戦場まで運ぶ輸送ヘリ要員としてコンビを組む二人ですが、
アレックスは激しい嫉妬から戦闘のドサクサに紛れてジョニーを謀殺してしまいます。
その後、英雄としてトントン拍子に出世した彼は、とうとう花嫁までその手に入れようという所まで来ますが・・・。
タイトルの「英雄の十字架」とは、アレックスがジョニーと花嫁に贈った手作りの十字架です。
アレックス自身も持っています。
神に愛され、全てを持っていた、そして親友と信じていた男に裏切られ戦場の亡霊となった男と、
友を裏切り、狂気の戦場で鬼神さながらに手柄を立てる裏切りの英雄。
神はどちらに微笑んだんでしょうか?
唯一つ言える事は、戦争が二人を歪めてしまったという事でしょうか。
緻密で迫力の戦闘シーンが見所です!