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ロダンの言葉抄 (岩波文庫 青 554-1)

価格: ¥945
カテゴリ: 文庫
ブランド: 岩波書店
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稀代の芸術家の言葉に学ぶ ★★★★★
 19世紀フランスの大彫刻家オーギュスト・ロダン。作品自体は、美術館で何度も鑑賞したことがあるのですが、その芸術思想と生い立ち、また人となりについては無知でしたので、美術公論社さん刊、シャンビニュル著「ロダンの生涯」と併せて本書を読みました。
 構成は、何人かの人物が書き取ったロダンの言葉を、その人物別にまとめてある形です。巻末の解説に短いロダンの伝記もついていて、まず基礎的知識が欲しいロダン初心者にはとても親切な本でした。
 本書からは、彫刻の見方から、芸術家の在り方と使命まで、学ぶことだらけだったのですが、最も心に残ったのは、ロダンが自分を「私は貧しい車引きの息子です」と胸を張って言っていることと、「自然と芸術と宗教は私にとって同じものです」という彼の思想です。一貫して、その姿勢の謙虚さに打たれます。彼は芸術を、貧しい人たち、民衆の生活を、美しく豊かにすることに貢献するものでなくてはいけないと考えていたのです。ベルナール・ビュフェも「芸術は花のように、人生に必要なものだ」と言っていましたが、自分の表現に酔い、自己満足や自己主張に終始している俗な芸術家とは何という違いでしょうか。
 絵画、彫刻を始め、音楽や文学も、芸術を学ぶ際はとにかく一流の人、本物の人に触れるべきだと改めて感じさせてくれる本でした。
 今度フランスに旅行する時は、ロダン美術館に行くぞー!
繰り返し読みたい本 ★★★★★
自然を訳出すことが芸術だとロダンは説きます。

すべての有機体は次を目指して動いています。
自然は常に動いています。
動くことが自然です。止まっているのは不自然です。
だから、彼はモデルに一定の姿勢で長時間いることを
強いることはしませんでした。

感覚を研ぎ澄まして、その自然を、その時間の発展を
絵画なら「色と線」に、彫刻なら凹凸に
訳出すことが芸術だと彼は言います。

ロマンチックなのです。かっこいいのです。
上等です。

ただ、問題は岩波文庫なので、字が小さく
1ページに文字数が多いことでしょうか・・・
「いっさいが芸術家にとっては美しい。」 ★★★★★
彫刻に限らず、芸術を志す若い人にはぜひ読んでいただきたい一冊。
この本は、始めから読み進めなくても良い内容です。無作為に広げたページのどこからでも芸術への導きを見つけることが出来るでしょう。
自身がロダンに感化された彫刻家でありまた詩人の高村光太郎の訳ゆえに、ロダンの言葉が感情豊かに伝わってきます。

聞きなれない言葉のほとんどに注がつけられており、明解に読み進められるでしょう。
また、巻末の彫刻家高田博厚による解説や全作品年表、作品写真など、これ一冊でロダンの輪郭を一通り捉えることが出来るようになっています。
編に携わっている菊池一雄も著名な彫刻家です。

近代彫刻の扉を押し開けた巨人 ★★★★★
「単純は美しい。単調はいけない。」という言葉が好きです。ギリシャ彫刻なんかは、けっこう細部が省略されているけれど、彼に言わせれば、あれはちゃんと細部を研究され尽くした上で、面のなかに細部を溶け込ませている結果なんとなく単純に見えるだけで、こういうフォルムの単純化はむしろ力強くて美しいのだと。

 そして彼が、自分と同時代の彫刻家達を批判して言うには、あのガキらは、細部の研究をすっとばして、いきなりつるつるに磨いたりなんかして、やれ、きれいだの、やれ、完成度高いだのとぬかしていやがるのだと。これらの彫刻は、フォルムの単純化でもなんでもなく、単調なつまらない彫刻なのだと。偽物なんだ、と。俺は認めねえぞ、と。
 それぐらいの気概があったからこそ、成し遂げることができたのかもしれませんね。