永久保存したいJ-フュージョンの名ライブ!
★★★★★
1985年6月の、大阪フェスティバルホール(21日)および愛知厚生年金会館(22日)での演奏を収録した、g安藤、sax伊東、b田中、key和泉、dr長谷部による第一次メンバー安定期の集大成的なライブアルバム。
「Truth」以前のポップなヒット曲やメロウなバラードがバランス良く盛り込まれ、アルバム全体が1つのドラマのようなストーリー性を感じさせる編集となっていて、作品としての質が高い。観客の声援から伝わる興奮と熱気、それに呼応するかのような丁寧ながらも野性味と疾走感のあるハイクオリティな演奏が繰り広げられる。ライブならではの疾走感や臨場感もビシビシと伝わってきて味わい深い。
特に<2>のメドレーや、<6>の“テーマ→bソロ→g-syn&keyのバトル→テーマ→メンバー紹介→saxソロ)→gソロ→<7>→<8>”という流れ、そしてスタジオ盤をはるかに凌ぐ美しさのバラード<9>は、何度聴いても感動的。
ともすると「テクニック大会」や「ごった煮セッション」に陥りがちなジャズ/フージョンシーンで、一貫して楽曲の良さとチームワークの強さを保ってきた類い稀なバンド。その全盛期を知ることのできる、貴重なアルバムだと思う。これ以後もスクエアはメンバーを入れ替えつつ、いくつかのライブ盤をリリースしているが、個人的にはこのライブを強くお勧めしたい。