市民権を得たミサイル防衛
★★★☆☆
7,8年前からミサイル防衛に関心を持っているが、日本の現実的な安全保障に係わるテーマだけに本書の発刊を歓迎したい。著者はテレビ解説員であるが、本書はミサイル及びミサイル防衛の技術的側面を中心に、初心者にも分かりやすく解説している。敢えて言えば、図や写真をもっと掲載すれば更に分かりやすくなっていたであろう。また、日米共同技術協力や国内での議論の動向にも触れられていなかったのが少し物足りなかった。欧州のチェコでは、米国のミサイル防衛のレーダー基地の建設を巡って国民的な議論が行われている。本書によってミサイル防衛に対する国民の関心が高まることを期待したい。
日本に核ミサイルを向ける国が存在する現実
★★★★☆
日本の周辺には、日本に核ミサイルを向ける国が存在します。
ロシア、中共、北朝鮮の3カ国です。本書は、この現実の脅威
を直視し、日本の国家防衛を真剣に考える良書です。相手の
柔和戦術である経済交流が盛んになれば、その延長に平和
が得られるというのは、思考停止の単なる希望的幻想です。
新聞などでは得られない迫真の記述
★★★★★
よくできた本です。「弾道ミサイルとは何か」から始まり、敵ミサイルの性能や発射の察知、迎撃方法と続き、最後に北朝鮮のミサイルへの対処法を具体的に、予想を含めて記載していて分かりやすかった。
2006年7月の北朝鮮の連続ミサイル発射の経過と日米の対応は、新聞などでは得られない迫真の記述です。また米軍のイージス艦を用いたミサイルへの対応も、(結果的には米国本土を守る目的があるとはいえ)最新の装備を日本に配置するなど、差し迫ったものを感じました。