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職業とは何か (講談社現代新書)

価格: ¥735
カテゴリ: 新書
ブランド: 講談社
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学生時代に読みたかった本 ★★★★☆
現在、学生が職業を選ぶ際、「自分にとって興味がある仕事」、「自分が
楽しいと感じることができる仕事」、「自分がやりたい仕事」を選びなさい
というアドバイスがなされ、社会的にも、楽しさが今までよりも物事の
価値基準として高く評価されるようになってきている感じがする。

しかし、本書はそのような価値基準で職業を選ぶことに対して警鐘を
鳴らしている。
つまり、職業は生き方そのものと密接にかかわっている上、職業とは個人的
なものではなく、社会とかかわりがあるものであると主張する。
社会とかかわりがあるということは、「自分にとって」楽しいとか、やりたい
とか、そういった基準のみで職業を選んではならないのだ、という主張である。

この主張は私にとって新鮮で興味深く、それだけでもこの本を読んだ価値が
あったと感じる。しかしながら、社会という視点を持って職業選択をすると、
個人的視点のみにたって職業選択をした場合に比べ、実際にどのようなことが
得られ、どのような生活が期待できるのか等、もう少し読んでいて説得力の
ある記述があるとよかったと感じる。

ただ、本書で得られる視点は有意なものであり、学生時代に出会っておきたか
った本である。
現代青年の盲点をつく ★★★★☆
気に入った仕事がないという若者たち。彼らは一度でも「社会的役割を果たそう」と考えたことがあるだろうか? 職業とは本来が他人本来なものだと梅澤教授は喝破する。
自分の仕事、会社に対して不満ばかりを並べる若者、適職が見つからないと途方に暮れる若者は著者の言葉に耳を傾けるがいい。
とりたてて面白い内容ではなかったが ★★★☆☆
「参ったなぁ、そろそろ就活しなきゃなぁ」という気持ちはあるものの、その足が向かう先が
企業の会社説明会や合同セミナーではなく、なぜか図書館になってしまう僕であるが、その図
書館でも就活にまつわる本を集めた特設コーナーにぶち当たってしまい、これも何かの縁だと
ばかりに借りてきたのがこの本。

本書の狙いは、これまで日本で仕事という単語と並列して、定義もなにもあいまいにしたまま
使われ続けた職業という言葉を再考して、働くこと、職業に就くことを問い直すこと。

「やりたいこと」を「仕事」にする、ということを批判的に捉えるのは、わかる。僕のような
クズ野郎が、「趣味を仕事にする」なんて甘っちょろい魂胆を持つこと自体、もはや死刑同然
ですよね。
それにしても、本書で例としてとりあげる人物が、早稲田の斎藤佑樹やら俳優の役所広司やら、
もはやその能力が認められ、世間的にも名の知れた人であるというのは、あまりにもご無体で
はありませんか。
そもそも、昨今の就活生の大半が持っている欲求は、マズローの欲求の五段階定義でいうとこ
ろの最高位の「名誉欲」、要するに有名になりたいという願望が一番強いわけだから、そのよ
うに有名人を挙げて、凡人になる道を説かれるのは、聞いている方からすればそれはそれは苦
痛に満ちたものなのであります。

「職業は生き方選び」という言葉を目にしてぞくっと、悪寒が走った。社会人になって、自分
の身分を証明する手だてとなるのは、第一にその人の職業となる。言われてみれば、確かにそ
うである。
いやしかし、それだけに就活生は逡巡するのではないだろうか。「俺はこんな仕事、人生を通
してできるのか?」と、「俺はこんな仕事、俺の職業として受け入れられるのか?」と。

今放映されている読売新聞のCMでは、伝統芸能「木場の角乗」をする芸人が「この芸を始めた
きっかけ」を新聞記者に尋ねられ、「そんなのねぇよ!」と間髪入れずに返答している場面が
ある。
芸人の世界に限らずとも、かつてあった封建社会では、生まれたときから身分が決まっていた
ため、大人になって何になるのかなんて考えたり悩んだりする必要なんかなかったのだ。
農民の子供が農民に、武士の子供は武士になるのが、「当たり前」だったのだから。

近代になり、皆平等になったことで「職業選択」の自由が生まれたが、「自由」はそれと同時
に「悩み」や「不安」をも引き連れてきた。そして今や、職業選択においてはその自由よりも、
悩みや不安の方が肥大化してきているようにも思える。

あーあ、俺も封建社会に生まれたかった。。
職業能力としての専門的知識と技術の重要性 ★★★★★
「日本では、仕事と職業が混同されて使われている」と著者は言う。そして「”職業”について、解き明かしたものは見当たらない」と嘆く。それこそが、現在の日本の状況を作り出している元凶であるかのように。

「職業」に真正面から切り込み、「職業」を論じた著書として同意できる部分が多い。
”就活生”向けに書かれているようであるが、全職業人の働き方を見直す契機となる。
社会性とキャリアの両立 ★★★☆☆
 あるべき職業観について、73歳の著者からの提言。別に説教臭くはないのだが、斬新な視点もインパクトも無く、学生が読んでも即戦力になるという本ではない。
 本書の主張を要約すると、職業とは「〜をやりたい」という主観のみではなく、「〜を通じて社会の一員となる」という社会性もそれ以上に重要である。そしてそれを見出すには、実際に就労して日々の仕事を中から見出していくのがベストだ、ということ。やりたい仕事は別にあっても、やりがい自体は感じている人が大半である事実からも、これは正しい。が、恐らくほとんどのサラリーマンは上記の事実に気づいているはず。
 さらに言うなら、後半でプロフェッショナル論を取り上げ、明確なビジョンのないまま社会に出ることのリスクに言及するが、そこで必要となるのはビジョンであり、主観である。この点と前半の社会性の両立こそが肝であると思うのだが、そのロジックが示されていない。ということでいまひとつ消化不良感の残る内容だ。