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暴走する脳科学 (光文社新書)

価格: ¥777
カテゴリ: 新書
ブランド: 光文社
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意外に分かりやすい ★★★★★
脳科学、なんて言うとすさまじく小難しいことが書いてあるのかと思い読んでみたが、
最新の脳科学事情が意外なほど分かりやすく書かれていた。
中心として取り上げられていることは心についてで、心とはどこにあるのか、
脳にあるのか、それとも周りの全てを含めて心言うべきか、など今まで考えたこともない一面も知れた。
また脳はアニメやファンタジーで見られるように溶液に浮かべておけば、本当に機能することが
可能かという話もあり非常に楽しめ、手軽に読める一冊でした。
暴走させないためには? ★★★★★
日本人は、「まだまだ科学技術リテラシーとマスメディア・リテラシーが欠如している。」(p211)ということですから、
「個人的・社会的に善用も悪用もできる」(p212)科学を悪用して一儲けしようと企む輩がいるわけです。
そのような一儲けを、著者は「暴走」と言っておられるのでしょう。
「脳科学」に限らず、人の言うことを鵜呑みにしやすい日本人への警鐘なのでしょう。

p209からp212を先に読んだ方がよいと思います。
この本に書いてあることに注意して「脳本」を読むと、脳が鍛えられると思います。



心はどこにあるのか ★★★★☆
心はどこにあるのか。
本書を読んだ後、二人の大学生に質問してみた。
A青年は「脳」と答えた。B青年は「心臓」と答えた。
しかし我々は、B青年の答を頭から否定する根拠を持っているだろうか。
B青年はその理由について「悲しいときに痛くなるのは、心臓だから」と
答えている。

本著作は、そういった脳科学の歴史と現在、心との関わりの変遷を概説的に解説した
著作である。以下に印象に残った点を抜粋する。

「三歳までに脳の基本的能力は決まってしまう」「脳の大部分は眠ったままで使われない」
これらは「神経神話」とも呼ばれるもので、間違いである。

「脳は、コンピュータではない。『君はえらいな』と言った場合、それが褒めているのか、
皮肉なのかを、コンピュータは区別できない」
ぼくは、自閉症スペクトラムの子供も、やかりその区別が苦手なことを想起した。
ただし大人の自閉症スペクトラム者は訓練はよって、その区別能力を獲得する。

「人間の記憶は、脳単独ではなく、手で書く、体を動かすなど、脳以外の働きによって獲得・拡張される」
しかし、自閉症者は、道具なしで膨大な記憶を写真のように記憶する能力を持っていることがあるのである。
これは、脳単独の能力である。

「心理主義化する社会」筆者は、失敗や、犯罪、うまくいかなかったことを、
すべて、自分の心の内面にその理由を求めようとする現代の傾向にも警鐘を鳴らす。

なお本書のタイトル『暴走する脳科学』は良くない。ゲーム脳など似非科学否定本に
思われるのは、本書の価値から言って損である。
暴走する新書の帯 ★★★☆☆
副題に「哲学・倫理学からの批判的検討」と書かれてあり、
そして、著者が哲学研究者である事に注意が必要。

科学的に脳研究を検討していく、というよりも、
思考をこねくり回して、ああでもない、こうでもない、
と言って個人的な考えを表明している印象を受ける本です。

帯には「“脳トレ”は本当に効くのか?」という興味をそそる
文言が書かれていますが、それに類するような箇所を
本書のなかに見つることはできませんでした。

本自体が悪いわけではなく、これはこれとして、哲学研究者
が書いた脳科学についてのエッセイとしてなら許せる内容です。
期待して読んだが ★★★☆☆
脳科学が万能であるかのような
考え方に対して、批判を行う本だと
思って読みましたが、
内容は違っていました。

実際は、著者が設定した問いに
対して、自答を行うという
哲学的な内容です。

タイトルに裏切られた感じです。