逃した魚はデカかった!
★★★★☆
Eric Bell在籍時、最後にして最高傑作アルバム!“Whisky In The Jar”のヒットにより(カヴァーですが)ソングライティングの魔力に取り付かれたのか、数々の名曲を増産しています。このアルバムでのPhilのヴォーカルは、まさに“ストーリーテラー”そのものだし、バンドサウンドだって以前のモコモコした“アイルランドの田舎っぺ”から、まるっきり違うバンドと見まがう程、垢抜けたメジャーなサウンドへと変化しています。そして、このEric Bellと言う人は、(聴いた限りでは)トラッド、ブルース、ラテンなど幅広いジャンルに裏付けされた、ユニークかつ合理的なフレーズを弾く人で、初期Lizzyサウンドには無くてはならない重要な役割を果たしています。それを考えると、この第一期のキーマン(LizzyのイニシアチブはPhilが取っていたものの)は、Eric以外の何者でも無かった様に思います。しかしその後、貧困に耐えかねたEricはツアーの途中でバンドを去り、残されたPhilとDownyさんの二人だけで何ステージかこなし(あんたらルインズか!)、Deccaとの契約を終えるのですが、その後のVertigoに移籍してからの快進撃を思うと、Deccaの選択は、ただ々「惜しいことをしたねー!」としか言い様が無いでしょう!