温故知新
★★★★☆
ベックの基本的書物であるが、彼の精神分析療法から認知療法の発見に至るまでの経過が、詳しすぎるほど書かれていて、初心者にはもどかしい面があると思われる。その意味で初心者には、ジュディス・S・ベックの「認知療法実践ガイド」を薦める。T・ベックのこの本の特徴は、精神療法理論がそうであるべきだと説いているように、実に簡単に理解できるということである。ところが、具体的な実践はとなると、本書では扱っていない。歴史的な本になりつつあるのかもしれないが、必読書であり、ひととおり(と言ってもかなり、広範ではあるが)認知療法を勉強した後で、読んだほうが、より良く理解できるのは間違いない。