飯島和一「狗賓童子の島」の連載あり。粒ぞろいの文芸誌
★★★★★
文庫版の月刊の文芸誌の第4弾。
なかなか粒揃いの連載小説が掲載されているが、今回、特に面白かったのは、次の作品。
森見登美彦「夜行」は、ちょっと怖い怪談めいた話。はじめはそれほどでもなかったが、第4回になって、だんだんとその話の構造が面白くなってきた。
長岡弘樹「初任」は、警察学校を舞台にしたところが新鮮。まだ、事件らしい事件は起こっていないが、今後に注目。
笹本遼平の「救出」も、警察小説。事件が動き出した。
室積光「ザ・キャビネット」は、ここまで書いていいのか、というぐらいの北朝鮮ネタ。
松尾清貴「偏差値70の野球部」は第2回。間違って進学校に入ってしまった野球少年の物語。
そして、何と言っても飯島和一の「狗賓童子の島」。大塩平八郎の乱に隠された謎が明らかにされていく。
うーん、この文芸誌、かなり面白いぞ。