単に迷惑な患者か、法の欠缺をあぶりだしたスケープゴートか
★★★☆☆
この事件は、幾つもの著者のミスが重なって引き起こされた部分がある。
フラフラになり、足の甲からリンパ液が流れ出るほど症状が悪化するまで、検査はおろか医師自体にかかることもなく、入院後透析をしだしてからも、数ヶ月間にわたり自宅に外泊したまま病院に戻らず、移植無しには余命数ヶ月を宣告されたのである。
切羽詰ってからドナーを探し始め、身内にも断られた結果、妻の25年来の友人A子にドナーになってもらうのだが、そんなに長く付き合っていながら、その人間性を何故見抜けなかったのか?
また、移植に関して、医療面・法律面を確認し、A子と書面で「法に反するので、一切の報酬を渡せない」旨の取り決めを何故交わさなかったのか?
その辺りを訝りながらも読後、法は確かに実情に即していないと知ったし、後に2病院・2医師の保険指定取り消しの意向が出るにいたっては、法の欠缺を指摘された厚労省の逆ギレか!?と思わざるをえなかった。
『深層』なる大そうな題名だが、週刊誌の記事を少し広げた程度の内容でしかなかったので、重要な問題だが減点した。