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退出ゲーム (角川文庫)

価格: ¥580
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川書店(角川グループパブリッシング)
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おじさんにも楽しい ★★★★☆
廃部寸前の弱小吹奏楽部に所属する恋する高校一年生、穂村チカ。
幼なじみの美男子、ハルタとともに、学園に次々と発生する難事件に巻き込まれ奮闘する。

いやぁ、おじさんになってもこういう学園物ミステリは大好きです。
特に好きなのは表題作の「退出ゲーム」。
演劇部に所属する奏者を部員として獲得するために、「舞台から退出すれば勝ち」の演技ゲームを行うことになる。設定と言葉の使い方が巧くて、この舞台劇を見てみたいと感じました。
日本推理作家協会賞の短編部門候補作とのこと。
コミカルですが ★★★☆☆
 高校生ぐらいには面白いのでしょうね。エスプリを利かせるとかすれば、大人にも受け入れられる作品になったのにと思います。
ちょっと変わった青春ミステリー ★★★★☆
「1/2の騎士」と「水の時計」はファンジックで幻想的な作品でしたが、本書はど真ん中、青春ミステリーです。しかし、この作者のこと、普通の青春ミステリーとは一味違ってました。

4編の連作短編からなるのですが、謎のとっかかりは狭い高校生活から始まって、だんだん複雑な様相を帯びてきます。一番単純なのが「結晶泥棒」。これはハルタとチカの顔見世といったかんじ。
しかし、「クロスキューブ」は真っ白なルービック・キューブの謎が、禅問答も交えて解決に向かったり、「退出ゲーム」では抱腹絶倒しながら、現代中国の問題まで謎が広げられていきます。
ラストの「エレファンツ・ブレス」では「オモイデマクラ」という怪しげな発明品から、ひょうたんから駒のように、深くて怖ろしい謎が導かれたり・・・。

ちょっと構成に無理があるような部分もありましたが、登場してくる高校生たちの活き活きとした存在感は一番の魅力です。特に、脇役が際立ってます。一話でいなくなるのが惜しいという、存在感のある演劇部の名越。絶対作者、遊んでるだろうという演劇部の看板女優マヤ。(家はラーメン屋で、今オオカミに育てられた少女の役になりきっている(笑))
超絶俺さまキャラの生徒会長日野原。双子の発明家萩本兄弟。
シリーズ化して、また彼らに会いたいと、強烈に思ってしまうハジケタ脇役たちがひしめいてます。

この作品は1年生の時の思い出をチカが綴ったという設定なので、今後、2年、3年と続編が出るのではないでしょうか。
切なくて、幻想的な初野さんも好きですが、この突っ込みキャラ、チカが主役の抱腹絶倒短編集も、また楽しい、初野さんの一面です。
「ガチャピンをはねた日」は酸欠注意 ★★★★★
ラノベ的な設定、ラノベ的なキャラ立ちしまくりなキャラの暴走会話がめちゃくちゃたのしい。
ボケるハルタに息切れしてまで突っ込むチカが最高。女の子も羨む美少年な設定のハルタもへタレで笑えるところがあって、中身はまんま恋する乙女(しかし抜け駆け禁止協定ゆえ睨み合いが続く)。この二人を囲むキャラもいずれ劣らぬ濃いヤツばかり。チカの友達でイラスト部の希、人騒がせないばり屋だけどなんか憎めないマジック部の藤原先輩、過去に傷を持ち吹奏楽からとおざかっていた天才オーボエ奏者・成島(クーデレ眼鏡っ子)、中国系アメリカ人で長めの前髪と繊細な切れ長の目が印象的なサックス奏者セイ・マレン(ちょっと暗い)、セイの友人で彼をむりやり演劇部に入部させた演劇に賭ける情熱は暑苦しいほどな名越、あんちゃん!おとうとよ!なノリがベタなセールストークにかけては右にでるものない発明部の萩原兄弟、萩原兄弟を足蹴にするのがシュミのワンマン生徒会長日野原さん……数え上げたらきりがない素敵な後輩と同級生と先輩。

ミステリーとしてもよく出来てる。
成島さんの弟の遺品の全面白のルービックキューブに悩むハルタが、草薙先生の「禅問答」をきっかけに、反則ともいえる手法を用いて正解に辿り着く発想の転換が素晴らしい。
収録作で一番好きなのは「退出ゲーム」。サックス奏者セイ・マレンの引き抜きをめぐり演劇部と吹奏楽部が熱い火花をちらし、やがてそれは「退出ゲーム」という即興演劇での勝負になだれこむんですが、これが面白すぎる!!!要は特定の人物にいちゃもんつけて舞台から退出させるのを競うゲームなんですが、それをより自然に行わなければいけない、発想力演技力を問う難易度高い課題。劣勢を一瞬で挽回したハルタのあざやかな機転に脱帽です……!というか作中劇「ガチャピンをはねた日」に爆笑しました。やばいです、ツボにはまりました、三十秒間笑いがとまらず酸欠に陥りました。
後半、「エレファント・ブレス」で発明部の部室に強引に連れ込まれたチカが聞かされる、萩原兄弟のセールストークがまた……「思い出枕」という好きな夢が見れる発明品を学校裏サイトで匿名売買した容疑で生徒会長・日野原に激しく責め立てられた萩原兄弟が、その効能を必死に説明するのですが、チカのツッコミが冴えまくる!萩原兄弟ノンストップで面白すぎる!日野原さんもボケかよ!!
切ない所、ほろっとくるところも多々あるのですが、なんといっても笑いのセンスが素敵すぎ。枕を手に現れた意外な人物に対し「汚される!汚される!」という悲痛な叫びがもうね……だめだ、腹筋よじれる……。

心根が真っ直ぐで世話焼きなチカ、恋する乙女(?)で頭がキレて、実はとても優しいハルタのコンビを応援したくなる。またこの素敵なキャラたちに会いたくなる。「退出ゲーム」はチカが一年時の話らしいんで、二年時、三年時の続編がでると期待していいんですよね……?というか絶対読みたい、会いたい、読ませてくれなきゃ恨む!こんな素敵な登場人物生み出しといてこれぽっきりは惜しすぎる初野さん続編ぜひおねがいします!
将来を嘱望された優秀な指揮者だった草薙先生が挫折した理由も明らかにされてないし、ハルタがアパートの部屋借りてる複雑な事情も気になるし、チカのフル突っ込みとハルタのボケをまた見たい!二人に振り回され脱力気味の成島さんのクールな毒舌、名越の暑苦しい漢ぶり、春から入学予定の高校に変装して潜入しちゃう行動派・後藤さんと日野原会長の口喧嘩が見たい!!いっそ漫画化して!!
ライトノベルっぽい ★★★★☆
「水の時計」や「漆黒の王子」のような、残酷であるけれど幻想的で美しい著者の世界が好きで購入しました。それらに比べるとこの「退出ゲーム」は、出てくるキャラクターや話の雰囲気が漫画チックで正直面食らいました。青春ミステリーとゆう事なので、若者を狙ってあえてそうしたのかもしれませんが、私はもう少しシリアスでナイーブな作品にしてほしかった。 とはいえ、どの話も発想が素晴らしい。専門的な知識を利用した他には無いトリックに驚かされ、そのトリックに込められた深いメッセージや真実に心を打たれる…。色んな感動を味わえる短篇集です。 特に「クロスキューブ」の、謎解きの先にある優しい真実は切なくて美しい。ハルタの、呆れる程の行動力にも感心させられます。 「エレファンツ・ブレス」は、コメディタッチなノリの話と思いきや、意外にも深く考えさせる作品。題名の使い方が面白い。 まあ多少キャラクター達が若い割に達観しすぎている感はあるが、その中で等身大なチカにかえって親近感を覚えた。 ただ気になったのは、先生、ハルタ、チカの関係性とゆうか複雑な設定がほとんど生かされていなかった事。先生の背景もまったく明らかにされなかったし、シリーズで続けていくつもりなのだろうか。だとしたら続きはもっとシリアスな初野さんらしい雰囲気にしてもらいたい。 初野さんは今一番注目している作家さんなので、今後もよい作品を提供して下さる事を期待してます。