会計批判として、引き続き秀作
★★★★★
著者の「変わる社会、変わる会計」、「変貌する現代会計」に続き、次の点で秀作である。
1.会計の知識があまりない者も読んで面白い(著者の意図をよく理解できるかは別として)。2。会計の知識がある者は、その程度により、現代の会計の問題点(広く経済の問題点といった方がよいかも知れない)の一部又はほとんど全部を理解できる。著者の指摘する問題点の範囲は広く、鋭く要点を突いている。欲を言えば、このような小冊子の中では無理であるが、別の著書で解決の方法も是非示してほしい。IFRS(国際財務報告基準)の設定かかわる者も含めて、しっかりした理論的根拠がないまま、とりあえずの基準設定をしなければならないのが現状である(これは評者の観察で、反論もあるかもしれない)。