今後日本でも急速に規制強化、導入が予測されているアンチ・マネーロンダリング、
ALMに関する、専門家向けの実務書です。
平易な文章で、AML関連のキモは網羅されている。視点は、監査、モニタリング、
リスク管理などの企業統治的観点が主でいかにもコンサル的な切り口。

先進国米国での事例や法規制が中心だが、FATF勧告によって、日本も
急速に米国型のコンプライアンスが整備されていくはずなので、知っていて問題
はないと思います。

特に、海外の金融機関のマネロンの事例が豊富で、発覚し犯罪を犯した際に
いかに強烈な罰則にさらされるかがよくわかります。
また、AMLプログラムのアウトソースに触れているのは、かなり先進的な内容。

IT面に関しては、仔細にわたる製品、ベンダー選定基準を掲載しているも、
具体的な事例がなく、残念。製品名ももっと掲載してほしかったが、競争による
統廃合が予測されるため仕方がないか？

後に、『不自然な金融取引』という、今のところの決定版が出たので、ちょっと
内容が追いついていない感じがあるが、基礎的な文献であることに変わりはない。
関係者必読。

『マネーロンダリング』という言葉は耳にしたことがあるけれど、実際どういうものなのかイマイチわからずこの本を手に取りました。
事例も豊富で読みやすかったです。

銀行のコンプラ部門に属する者です。

上司からマネロン対策についてまとめるように言われ、本書を手に取りました。
コンサルタントの方が執筆されたようで、よくまとまっていて、理解しやすかったです。
特にマネロン対策の手法が詳細に記載されている2章を読むと実務がわかりました。
上司への報告もこれで何とかなりました。