松本清張の『九十九里浜』という短編に九十九里鉄道が出てくる。その雰囲気を感じたいと思って本書を手にしたが、なんと、清張の短編についての解説が載っていた。臨場感が増す貴重なコメントだ。清張の『きたない廃車』という表現に対する抗議もキドーへの愛情が感じられて微笑ましい。

最後の方に『九十九里鉄道廃線跡ハイキング』というページがある。時間を見つけて行ってみたい。

九十九里鉄道に関する記事や研究は、鉄道雑誌上に何回も発表されていますが、この本はその中でも決定版的なものだと思います。
昭和２０年代の貴重な写真も多く（九十九里に関する発表されている写真は普通は廃止間際のものが大半）、本文の内容も最新の研究成果に基づいたものとなっており、九十九里鉄道について知りたい人は、まずこの本を手にするべきだと思います。