子供の読み物でも大人の読み物でもある。
★★★★★
小学校三年生で、これを読んだ時は、楽しく遊ぶ日々はいつか終わるのだと、悲しくなった。
その時点ですでに妙に思った記述がある。ウェンディのお母さんがお父さんと結婚した理由や、ウェンディのお母さんの唇に浮かぶ本当のキス。
その意味が本当に理解できた時、私は23歳になっていた。
子供だけの読み物で終わらない、深い内容の作品である。
最終章で泣く為の、冗長な前振り。
★★★☆☆
文章自体が読み辛いのは、多分原作の文体の所為なんだろうけど。
童話としては少し過激かも知れないが、惨酷な行為もさらっと述べられる辺りは、やはり童話ならでは。
最終章だけは星5つ。
私のもっとも好きな本の中の一冊です!
★★★★★
この本を始めて読んだのは中学生のときです。御伽噺と馬鹿にしていたのが、たまたまこの話を知ってしまったのです。ピーターパンは(ご存知の方ももちろんいらっしゃるでしょうが)もともと昔にロンドンでクリスマスに大人向けに作られた戯曲(舞台用台本)です。公演内容は極秘で、幕が開け、歴史上最初の舞台での空を飛ぶシーンに当時のロンドンの人々は度肝を抜かれ、それから百年、小説や絵本やさまざまな媒体でベストセラーとなって語り継がれているのです。ピーターパンは原作を読まないとそのよさ、たのしさ、はかなさは分かりません。戯曲の後原作者本人が小説化したのがこの「ピーターパンとウェンディ」です。私は英語の原本を日本で出ている何冊ものピーターパンを片手に読みましたが、この福音館書店の訳が一番好きだし一番いいと思ってます。せっかくピーターパンを読むならこれがいいと思います。