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日本競馬 闇の抗争事件簿 (講談社プラスアルファ文庫)

価格: ¥840
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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人間の欲望の烙印が押されているサラブレッド ★★★★☆
 競馬ファンとして馬券に一喜一憂するのはいいが、たまには頭を冷やして「キャバクラの経済学」でないが「競馬の経済学」を学んでみてはどうだろう。
 二〇〇八年の馬券の売り上げ(総売り上げ)は約二兆七五〇二億円(前年比〇・三減)で、 九七年をピークに一一年連続減少したという。競馬界は競馬ファンが購入する馬券の売り上げですべてが成り立っている。胴元は日本中央競馬会(JRA)、農水省所管の特殊法人。JRAはテラ銭として二五%を天引きし、残りの七五%を的中馬券の配当としてファンに還元している。安倍譲二は「ヤクザの賭場でさえテラ銭は五%だ」とJRAを批難しているが、大橋巨泉をはじめいろいろな著名人がこの「テラ銭二五%」を問題視していることはご存じですよね。
 二五%のうち一〇%が国庫納付金、残りの一五%がJRAの取り分となる。賞金はここから出る。毎年、総売り上げの四・一%〜四・三%といわれている。ここでは四%で計算すると、〇八年は約一一〇〇億円が賞金になっている。
 JRAの賞金体系は世界一高額といわれており、一着本賞金二億五〇〇〇万円のジャパンカップをはじめ、有馬記念(同一億八〇〇〇万円)など、一着本賞金三二〇〇万円以上の重賞レースだけでも年間一三一レースもある。賞金は馬主が八〇%、調教師一〇%、騎手・厩務員が各五%を受け取ることができる。
 ここまでは競馬ファンなら知らない人は少ないでしょう。だが本賞金のほかに、いろいろな賞金・手当があることを知る人は少ない。
 実際のところ「馬主の経済学」や「調教師の経済学」「騎手・厩務員の経済学」はどうなっているのだろう。
 本書のタイトルはおどろおどろしいが、中身はいたってまともだ。競馬界の構造問題・経済問題を真っ向直球勝負で解き明かしている。サラブレッドは美しい動物だ。だが彼らには生まれた時から、経済動物として人間の欲望の烙印が押されていることがわかる。