「八百万の神々」へのガイドブック決定版
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日本の神様を総称して「八百万(やおよろず)の神々」というが、実際に「八百万(はっぴゃくまん)」もの数でないことはもちろんで、それは「多数」という意味である。
古典中の古典『古事記』に登場する神様で321柱!(知ってましたか?)
──こういう基本的な疑問に、すべて平明に答えてくれるのが本書の特徴だ。
説明用の図解や写真も豊富だが、最大の特徴はそれぞれの神様の紹介にあたって、その姿の画像か彫像を必ず見せてくれるところだろう。
神話のクライマックス・シーンや、神様の霊験をあらわすスタイルなど、いずれもなかなか興味深い。
そのおかげで、ある種の親しみが湧くことはもちろんだが、神様の事績を理解認識するのにたいへん役に立つ。
漠然と観念的にしか認識していなかった「日本の神様」が、
本書を一読した後は、それぞれの個性が具体的に際立って、強く印象に残るのだ。
望むべくは、本書は「主な神様」に限定しているので、ぜひ続編にも期待したいところだろう。
最近、このテーマの類書が続々と刊行されているが、これこそ「決定版」と思われる。