偉大な父への反抗
★★★★☆
江戸の市井を生きる文学者、大田南畝(なんぽ)。老いて、尚、その意欲おとろえず文に生き、当代一の粋人と喝采されている。
幼いころ、突然、妾を家に置き母を泣かせた憎い父。超えようにも遥か遠くの文学の才への嫉妬。
倅、定吉は父、南畝の人に見せることの無い側面をひん剥いてやろうと、狂人に化ける。
しかし、南畝の精神力は定吉を凌駕し、やがて、苦しめてやるつもりが、己の首を絞め真の狂人となる。
大田南畝、山東京伝、瀧澤馬琴ら文人を軸に据えたオムニバス時代物。難解なテーマ”精神の強さ”を描いている。私は、完敗でした。