酒場の主人が造った人造人間。趣味で造っただけあって、手間と金をかけて作り上げたそのロボットは、スタイルも良く、つんとした素晴らしい美人。酒場のカウンターに置いたそのロボット(お客には人間と思わせてます)は、人気も上々。けれど、このロボットに恋をし、思いつめた青年が・・。
本のタイトルどおり、微かな皮肉を含んだ結末が用意された短編集。やみつきになると思います。
『ボッコちゃん』は著者による自選ショートショート集であるので、本書と重複している作品もある。それを差し引いても面白い。個人的には『宇宙のキツネ』、『天国』がいかにも星新一らしいように思えて好きだ。『天国』は表題作ではないもののこの本のタイトルの由来になった一篇だと思う。しかし悪魔はいない。