うれしい再発の好盤
★★★★★
ハーモニカのリー・オスカー
ドラムの古澤良治郎
どちらもミュージシャンとしての技量以上に
音楽家としての指向性に自然や生き物の喜び
をテーマとする部分が共通しているようにも
感じられる。
その結果として出会うべきして出会った邂逅
の記録がこの作品。
どことなく牧歌的なほのぼのとした曲が多く
両者のシンプルな音の会話をモチーフにとり
時にはそれを盛り立て、また時にはその音の
揺らぎの中で目を見張るが如くの演奏・ソロ
を繰り広げる参加している強者の邦人ジャズ
ミュージシャンの存在も特筆される。
特に2曲目での渡辺香津美のソロは圧巻。
坂本龍一の「千のナイフ」でのソロと合わせて
彼のベストパフォーマンスと推奨する。
願わくば古澤作品の「ラッコ」やリーオスカー
の「約束の地」が収録の作品も再発されること
を願いたい。