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ミシェル 城館の人 第一部 争乱の時代 (集英社文庫)

価格: ¥880
カテゴリ: 文庫
ブランド: 集英社
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モンテーニュは、まずこれ。 ★★★★☆
大学教授が書いたモンテーニュものは、彼の大切な部分に触れていなくて
面白みも刺激も薄いです。

でも文学者堀田氏のこの本は、
裸のモンテーニュと並んで歩いている感じをあたえてくれる。

特に彼の青春期の女性遍歴など、赤裸々極まる描写。
それが人間・モンテーニュを浮き彫りにして、話はそこから始まります。

『エセー』も、実際は(その本質は)随想録などという大げさな、構えたところにはなくて、
著者モンテーニュも、ルネサンスの人文主義者とか、そういう額縁の中に収めてしまっては
魅力も重要さも半減してしまうというもの。

堀田氏のこの本は、そこをとっぱらって、
かれそのもの、『エセー』そのものへ、読者をいざなってくれます。
モンテーニュの思想背景 ★★★★★
堀田善衛の作品。例によって、ちょっと長いが丁寧に解説してある。フランスのユグノー戦争、王権と市民の芽生え、領主の時代。16世紀、日本は戦国時代。ミシェルの祖父は商人、それもイギリスやオランダと交易するような。父はボルドー市長、母はユダヤ系大商人の娘。ラテン語で幼い日より特別に、キリスト教が出てくる以前のギリシャ・ローマの人間的教養を身につける。そして、城館の周囲に、パリや地方に展開する宗教戦争の残虐と人間の宗教からの相対的自由(プロテスタントになったり、カトリックに戻ったり)を見聞きして、また自身はボルドー市の高等法院の法官として裁判を行うなど、の中より、ルネサンスの思考が花咲き、フランスの自由平等博愛思想の先駆けとなるエセーをかくまでを活写する。
16世紀フランスを旅する ★★★★☆
ミシェル・エーケム・モンテニュー(1532-1592)の生きた時代は、カトリックとプロテスタントの対立が激化し、国を巻き込んでの宗教戦争に突入した時代である。いち商人から2代かけて帯剣貴族になった父親を持ち、西南フランスギュイエンヌ地域のモンテニュー村の城館に生まれたミシェルの、これは伝記小説である。とはいっても、私はモンテニューその人をほとんど知らない。もちろん『随想緑』は読んだ事も無い。ならば、なぜこの本を紐解いたかというと堀田善衛の作品だからである。彼が書く以上、現代日本に住む私になんらかの刺激を与えるだろうという期待があるからである。正直なところ、第1部を読んだ限りではまだ分からない。しかし面白い。

堀田善衛の意識はまるで16世紀のフランスに実際に居るかのように自由に漂う。文章は評伝のようであって、実はそうではない。論文ではない。堀田善衛が見て語った世紀のパリの街そのものであり、堀田が読みこなしていったミシェルの著作や、当時の知識人の著作そのものなのだ。よって読者である我々も堀田を旅先案内人にして16世紀のフランスを旅して回ることができるのである。なかなか楽しい。

世は争乱の時代である。ミシェルとて、時代が要請する決断の時をやがて迫られるであろう。第2部に至り、「われわれのミシェル」は思想家として羽ばたくだろう。そのとき彼はどういう決断をするのだろう。今から楽しみだ。

読みやすい ★★★★☆
ちょっと構えてしまいそうな題名ですが、一旦読み始めると
直ぐ引き込まれます。それでいて内容はとても深い。
名著がこの値段で読めるのは嬉しい。
動乱を静かに生きた人 ★★★★★
モンテーニュの「エセー」はゆっくりとくつろいで味わい読む
書物であるが、そのモンテーニュの時代と人生が丁寧に語られる。
モンテーニュの生き様が見えてくるにつれ、彼の「エセー」の深み
もわかってくるように思う。
モンテーニュ同様、動乱を一見静かに生きた著者にしか書けない
ものだろう。「エセー」同様ゆっくり読みたい。