滝沢馬琴の戯作者としての生涯をたどる。特に48歳から76歳、96巻106冊の力作。失明をこえて書き継いだ恐るべき執念が躍如と伺える好資料篇。
　大江戸の読者を熱狂させた『南総里見八犬伝』臥姫の胎内から飛翔した八つの珠が飛翔し八犬士となり、忠節を尽くし、功成り名遂げる大作の画像資料が揃えられている。妖しくも華麗なロマンが髣髴と浮かんでくる。
　『椿説弓張月〜鎮西八郎為朝外伝〜』の世界が最後に添えられている。武藤太が白縫にさいなまれる場面（昭和４４年国立劇場上演）がおどろおどろしい。

『南総里見八犬伝』の作者として知られる滝沢馬琴。
彼の作家としての生涯と八犬伝完結に至るまでの苦悩を描いた、とても情報量の多い一冊です。
又、八犬伝の粗筋も場面ごとに分かれて分かり易く書いてあります。

「小説だと人物関係とか難しくて分かんなーい。」という方でも、年表と見比べながら、ストーリーを掴んでいく事が出来るので、オススメの一冊です☆