まず、私はオーマンディのファンなので、そのことを先に断っておきたい。ファンはどうしても点が甘くなる。
　さて、長年フィラデルフィア管の音楽監督であったオーマンディも、もう天国に召されてしまった。今頃、彼は天上のオーケストラで音楽監督を務めているであろう。彼の音楽には聴くひとのために演奏しているという稀有な特徴があった。魯山人の言葉を借りれば、筆に迷いやためらいがなく、のびやか。そして美しい。
　オーストリア・ハンガリー帝国の産湯にくつろぎ、アメリカの繁栄に合わせてタクトを振った。負け犬の声がしない。貧乏性のリアリティなど微塵も感じられぬ。それでいて、威張らず、まことに豊かである。
　「オレ様の音楽を聴け！」「これだけが正しいのだ！」という権威にひれ伏すのが大好きなクラシックファン（結構、多い）にはウケが悪い。しかし近年、日本でもCDの再発売が続き、彼の音楽を手頃な価格で聴くことが出来るのは喜ばしいかぎりである。このCDには有名な小品がたくさん収録されており、オーマンディの音楽の素晴らしさを味わうことが出来る。
　余談だが、友人・知人が「何かクラシックを聴いてみたい。」と言うと私はこのCDをプレゼントすることにしている。喜ばれること、うけあいである。

この内容でこの値段とは、まずは価格にびっくりです。その内容は1950年,60年代の録音だそうですが,さほど音の古さは感じないと思います。私が別にもっているCDとはやはり違いがありますが。

個人的にはやっぱりくま蜂の飛行、月の光、剣の舞あたりが大好きですね。思い出もある曲なんで。それにしてもくま蜂の飛行はよくまあここまで蜂の羽音がだせますね～。初めて聴いたときは鳥肌が立っちゃいました。
このCDは安いからといって妥協しているわけではなく、それ以上の内容をもっています。買ってみてはいかがですか？